いとちプロジェクト

福島県いわき市鹿島町。医療と地域、「い」と「ち」の担い手たちによるコミュニティデザインプロジェクトです。インタビュー記事やイベントレポート、各種お知らせなどを投稿していきます。

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福島県いわき市鹿島町。医療と地域、「い」と「ち」の担い手たちによるコミュニティデザインプロジェクトです。インタビュー記事やイベントレポート、各種お知らせなどを投稿していきます。

マガジン

  • レポート

    いとちプロジェクトやかしま病院で行ったイベントレポートを届けるシリーズ。

  • インタビュー

    かしま病院で働くスタッフの「声」を届けるシリーズ。仕事内容や地域医療への思い、やりがいなどを紹介しています。

  • コラム

    いとちプロジェクトメンバーの「声」を届けるコラムシリーズ。

最近の記事

いとちインタビュー vol.9| 西山修平さん

多くの人が、病院で一度くらいは体験したことがあるであろう「レントゲン写真」。その担い手が放射線技師です。かしま病院でも日々、放射線技師が活躍しています。西山修平さんもそのひとり。1日に100人もの患者さんと関わるという西山さんに、患者さんへの向き合い方、仕事に対する考え方などをうかがってきました。 小林:今日はお忙しいところ貴重なお時間をありがとうございます。よろしくお願いします。西山さんは放射線技師として働いていらっしゃいますが、まずは手始めに、西山さんの日々の仕事の中身

    • レポート | アドバンスト・ケア・プランニングから考える、見せかけの自己決定

      自分である決断をするとき、その決断は、自分で主体的に考え、選択し、決定した結果だと私たちは考えがちです。でも、本当にそうでしょうか。 私は、いとちプロジェクトであるワークに参加し、決断というものは、「これまでの環境や経験から、そう選ばざるをえなくなったもの」だと考えるようになりました。こう考えるようになったきっかけが、いとちワークで日常的に使われている「どせばいい?カード」でした。いとちインターンの小林歩記がレポートします。 どせばいい?カードとは何ぞや?いとちプロジェク

      • レポート | 保育園の遊びに見つけた医療

        いとちプロジェクトでは、かしま病院に実習にやってくる学生たちが実践的に地域医療を学ぶ「いとちワーク」というプログラムを実施しています。毎月3週目の舞台は、なんと地元の子どもたちが通う保育園。一見、医療とは無関係のようにも思える保育園で、なぜ実習が行われているのでしょう。実習の様子を、いとちインターン生の小林歩記がレポートします。 幸せづくりも医療のうち?!午後2時。集合場所となっているかしまホームに、学生たちが続々と集まってきます。まずやってきたのは医学部生、薬学部生、初期

        • レポート | 2024年8月のいとち | いとちの夏合宿ラッシュ

          酷暑となった8月。学生たちも夏休みに入り、普段のいとちワークはほぼお休みとなりましたが、夏休みを活用し、全国各地からたくさんの学生たちが研修に来てくれました。そこで8月のレポートは夏のいとち合宿特集。どんな学生たちが、いったいなにを学びにきてくれたのか、そこでどんな時間が流れていたのかをご紹介していきたいと思います。 福島県立医科大学・いわき地域医療セミナー 8月に2回(1日と22日に)行われたのが、福島市にある福島県立医科大学3年生を対象とした「いわき地域医療セミナー」

        マガジン

        • レポート
          20本
        • インタビュー
          8本
        • コラム
          4本

        記事

          レポート | 2024年7月のいとち | 出会いと別れ

          7月に入り、序盤こそは梅雨の空模様が続いた鹿島ですが、中旬以降は暑い日が増え、夏の陽気が続きました。特に梅雨明け間近に迫った7月の後半は一気に気温が上がり、外でのワークはちょっと厳しそうな雰囲気に。涼しいと言われているいわき市ですが、この数年は本当に暑い夏が多いです。 気温に負けずにいとちも熱く取り組もう! ということで、7月もさまざまなプログラムを実施しました。通常のプログラムだけでなく、夏のシーズンは学生たちの訪問も増えてきます。7月は、帝京大学医学部、一橋大学経済学部

          レポート | 2024年7月のいとち | 出会いと別れ

          レポート | 訪問診療。いま、自分ができることを重ねて

          いとちプロジェクトの小林歩記です。今年春に開催された「いとちツアー」で、医学生に混じり訪問診療に同行しました。医学を学んでいるわけではない法学部の私が訪問診療に同行するというのは、とても珍しいことかもしれません。 訪問診療は、病院へ通院することが難しい患者さんの自宅に、医師や看護師が定期的に訪問して診療するサービスのことです。患者のお宅の中まで入って診察を行うため、外来の診察よりも生活背景を把握しやすいということが特徴として挙げられています。 かしま病院に限らず、訪問診療

          レポート | 訪問診療。いま、自分ができることを重ねて

          レポート | 2024年6月のいとち | 自分の依って立つ領域を抜け出してみる

          徐々に蒸し暑い日が多くなってきました。私たちの拠点のある鹿島町久保地区は、「久保」という地名が示すように周囲を小高い里山に囲まれた「窪地」です。山から水が流れ込んでくる地形であり、もともとは田園風景の広がる地域でした。田畑を潰して宅地として造成したため、現在は住宅が多く立ち並んでいますが、久保のお隣、蔵持地区には今でも多くの田畑が残り、農業を営む人たちも少なくありません。 稲が青々と伸びてきた6月も、かしま病院では、いつも通り地域医療実習が行われており、毎週火曜日に開催され

          レポート | 2024年6月のいとち | 自分の依って立つ領域を抜け出してみる

          レポート | 地域を「診る」ことは、人を診ること

          いとちプロジェクトの小林歩記です。大学を休んでいとちプロジェクトのインターン生として活動しています。大学では政治学を専攻していて、医療の分野に携わる機会はほとんどありませんでした。 医療は身近な存在ではなく、むしろ、私が持っていた医療に対するイメージは、「物理的にも心理的にも自分には遠い」というものでした。病院に行って診察をし、薬局で薬をもらうという一連の動作にかかる金銭的、時間的コストが、私にとってはとても大きかったからです。 コストをかけて病院に行っても医師と話す時間

          レポート | 地域を「診る」ことは、人を診ること

          レポート | 医療を外して「その人」をみてみるインタビューワーク

          いとちプロジェクトでは、かしま研修にやってくる学生たちのために、「いとちワーク」という学びのプログラムを提供しています。さまざまなプログラムがあるのですが、講師の思いつきで、ある日突然実施されるワークもあります。今日は、6月18日に突如! 初開催されたインタビューワークについて、いとちインターン生の小林歩記がレポートしていきます。 初の試み! インタビューワークとは何ぞや?午後2時。参加者が全員集まり、いつものように、いとちワークの説明が始まりました。普段のワークでは、最初

          レポート | 医療を外して「その人」をみてみるインタビューワーク

          24卒新入社員いとちインタビューvol.8 | コロナ禍での実習から学んだコミュニケーションの大切さ

          みなさんこんにちは!いとちインターンの高橋果歩です。 医療と地域、「い」と「ち」の担い手によるコミュニティデザインプロジェクト「いとち」では、いわき市鹿島町にある「かしま病院」のスタッフや医師、地元住民やまちづくりのプレーヤーと一緒に、医療と地域のよりよい関係を目指し、さまざまな取り組みを行なっています。 今日皆さんに紹介するのは、今年の4月にかしま病院へ入職したリハビリ職3名の方へのインタビューです。今回インタビューした3名のうち、伊藤さんと馬場さんが理学療法士、渡邉さ

          24卒新入社員いとちインタビューvol.8 | コロナ禍での実習から学んだコミュニケーションの大切さ

          レポート | 傾聴を通じてひらかれる医療の関わりしろ

          みなさん、こんにちは! いとちプロジェクトにインターン中、大学1年生の小林歩記です。今日は皆さんに、私たちが取り組んできた「喫茶いとち」の取り組みについてご紹介します。 喫茶いとちは、昨年度もかしま病院内で実施された「院内喫茶」の取り組み。前回は、およそ1ヶ月間、もともと喫茶室として使われていた場所で実施しましたが、今回は場所を変えて、病院内で「待ち時間中」の患者さんへドリンクを振る舞う形式で実施しました。詳しくはこちらを↓ 今回の実施期間は2024年5月の1か月間。毎週

          レポート | 傾聴を通じてひらかれる医療の関わりしろ

          レポート | 2024年5月のいとち | 医を出て医を振り返る

          いとちワークは、かしま病院が非医療の地域メンバーと合同で週に1度実施する地域医療の実習プログラム。病院の外に出て、まちを歩いたり、ワークショップに参加したりしながら、人の背後にある「地域」や「暮らし」を見て感じるプログラムです。医師ではなく、医療職でもない、地域の人たちが講師を務めるのが特徴です。 徐々に気温も上がり始め、初夏のような日になることも多い鹿島の5月。快晴の日はちょっと暑さを感じますが、半袖でまちを歩くのにはもってこいの季節です。5月は雨天の日もあったものの、順

          レポート | 2024年5月のいとち | 医を出て医を振り返る

          レポート | 皆勤賞の私が見つけた理想の医師像

          みなさんこんにちは! 4月からいとちプロジェクトで活動しているインターン生の髙橋果歩です。今回は第3週目のいとちワークで行ったさくらんぼ保育園での実習から、地域(患者)が望む理想の医師像についてを綴っていきたいと思います。 「いとちワーク」は、毎週火曜日の14時から行われる地域医療を学ぶ研修プログラム。かしま病院では、病院実習のプログラムを「地域」にまで広げています。そのため、いとちワークの時間では、医師ではなく、地域の方々が講師を務めています。 ▼第1回目のいとちワーク

          レポート | 皆勤賞の私が見つけた理想の医師像

          レポート | 2024年4月のいとち | 問診ではないインタビューとは?

          最南端とはいえ東北のいわき市。朝はまだちょっと肌寒い日もありますが、日中はすごく穏やかで過ごしやすい天気が続いています。かしま地区の自然も、新緑の緑が徐々に濃い緑へと色が変わって、生命のエネルギーがみなぎって見える、そんな風景が感じられるようになりました。 さてここからは、4月のいとちについてレポートしていきたいと思います。いとちってどんな活動しているの? どんなことが学べるの? と思っていた方、ぜひぜひこのレポートを参考にしてみてください。 この4月ですが、いつものよう

          レポート | 2024年4月のいとち | 問診ではないインタビューとは?

          レポート | ACPとは人生そのものだ

          はじめまして。大学を休学し、今年の4月からいわきに来た髙橋果歩です。ローカルアクティビストの小松理虔さんの元でインターンをしながら、いとちプロジェクトにも関わることになりました。 いとちプロジェクトは、医療と地域の関係性をつくろうというプロジェクトですが、私はこれまで、「地域医療」と接点をもたない生活をしてきました。それもそのはず、大学は国際学部に進学していますし、小学校から今まで、学校を休んだことはほとんどありません(いつも皆勤賞!)。 また、広島市で生まれ、小学校から

          レポート | ACPとは人生そのものだ

          レポート | 一杯のコーヒーが、病院にあけた風穴

          医療と地域の担い手たちによるコミュニティデザインプロジェクト「いとちプロジェクト」では、2023年11月〜12月の毎週金曜日、病院内の喫茶室でフリーコーヒーをふるまうプロジェクト「喫茶いとち」を行いました。 舞台となったのは、「地域医療と全人的医療の実践」を理念に掲げ、人や地域に根ざした医療を提供する「かしま病院」です。11月24日から12月29日の計6回の開催で、かしま病院の職員延べ168名、患者・地域住民延べ68名、総勢236名の方が喫茶いとちに足を運んでくださいました

          レポート | 一杯のコーヒーが、病院にあけた風穴