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Cotton fields in January


氷の花

昨年末に訪れて、約3週間。

年が明けて初めてコットン畑を訪れた。

車窓から見える風景もどこか色を失い、どこまでも続く、長閑な田園風景全てが霜に覆われていた。

たった3週間しか経っていないのに、冬が一段と進んだようだ。

電車を降りると、想像はしていたのだけど、冬の冷気が肌を刺すように感じられた。

駅から畑に向かう途中の景色もすっかり冬景色へと変わっていた。

一面に霜が降りて、辺りを白く染める世界に思わず見惚れてしまった。

氷の花

「氷の花」と呼んでいいのだろうか。

おそらく、太陽が当たるとあっという間に溶けてしまう、儚さを帯びた「氷の花」。

こんな美しい花に囲まれた道を歩いていると、「早起きは三文の徳」だななんてしみじみと思ってしまう。

いつも以上にゆっくりと、辺りの景色を見渡しながら。

いつもの道を歩いたり。入ったことない道を歩いたり。

そんな冬の風景を楽しみながらコットン畑と向かった。

霜が降りた畑

日々歩いていると、季節の移り変わりに気が付かないのかもしれない。

でも1ヶ月に1回だと、先月からの変化を一層強く感じることができる。

同じ道を歩いていても、飽きることなどないのだ。

畑仕舞いをする前のコットン畑

さて、肝心のコットン畑だが、実は年明けから結構ハードな作業になる。

「畑仕舞い」ということで、支柱やらコットンやらを抜いて、更地へと戻す作業になる。

こんな寒い日に来てくれる人も少ないかなぁなんて思っていたら、たくさんの助っ人キッズが駆けつけてくれて、すっかり畑も綺麗になった。

コットンの木を抜いてくれるこどもたち

子供達と競争したり、ひっつき虫をつけられたり。

なぜか僕は子供受けがいいようで、一緒にコットンを引き抜いて回った。

引き抜いたコットンの木の山が何ヶ所もできた。

このコットンの木はチップにして、畑へ戻す。

積み上げられたコットンの木

コットンの木も循環し、来年のコットンの養分となるのだ。

コットン栽培11年目を終えた。

今年は、この11年の中で最も不作を経験した年となった。

それゆえに、いつも以上に細かくチェックし、取りこぼしがないか入念に確認をした。

過酷な環境下で弾けてきたコットンを救ってあげるような感覚で収穫を行えた。

豊作の年でもそんな気持ちを持って向き合うべきなのかもしれないけど、長年育てる中で忘れてしまった収穫への感謝の気持ち。


コットン栽培の師匠

僕は収穫よりも、月に一度、土に触れる喜びであったり、西脇の人とのお話だったり。

そんなところに魅力を感じているから続けている。

収穫が最優先ではないのだ。

でも、やっぱり収穫がたくさんできるということのありがたさをしみじみと痛感した1年となった。

昨年12月の浦安市でのトークショーを始め、この2024年度のコットン栽培は、これまでの10年の振り返りとも言える1年だったのかもしれない。

「原点回帰」

来年こそ、たくさん収穫できる1年になると嬉しく思う。

10年お世話になった畑が無くなって移動したり、大飢饉だったり。

考えてみれば、なんだかトラブルばっかりな1年だったけど。

そんな中でも楽しんで参加できたのは、西脇の方のお陰なのかもしれない。

また、来年も楽しいコットン栽培ができればいいなと強く思う。

ぜひ、参加してみたい方は一緒に畑にいかがだろうか。

それでは次回もお楽しみに。

すっかり更地になった畑

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