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online shop update 〜 儚くも美しい氷の世界


ONICA : Airy - Cotton Turtleneck Jumper
osakentaro : needle punch lace vest

「御神渡り」(おみわたり)

長野県諏訪湖で発生する、冬の自然現象である。

これは、湖面が全面凍結し、氷が隆起することによって湖面に氷の山脈が発生する現象のことを言う。

古くより、神様が湖の上を歩いた跡だと言われている。

「御神渡り」が発生すると、氷の亀裂を観測し、その年の雨量であったり、農作物の吉凶なんかを占って発表する習わしがあるそうだ。

残念ながら、ここ数年暖冬が続いており、「御神渡り」が観測されない年が続いている。(最後に観測されたのは2018年のことになる。)

そんな「御神渡り」が発生しないことを「明けの海」と言うそうだ。

僕は、小寒から大寒にかけての約1ヶ月。

毎年、遠く大阪から「御神渡り」の発生状況をついついチェックしてしまう。

発生したからといって僕の生活に大きな影響を及ぼす訳ではないけど、古くから毎年観測が続けられてきた文化として、チェックしてしまうのだ。

BANSAN : Wool Knit Ribbon Cardigan
osakentaro : denim pants

今年の年末年始は2年ぶりに実家の長野に帰省した。

電車を降りると、肌を刺すような冬の冷気を感じた。

骨身に染み入る冷気だけど、どこか懐かしく、スッとするような冷気だ。

もちろん、長時間そんな冷気に晒されていると凍えてしまうのだけど、暖かな車内から出た瞬間に感じる、地元の冷気はどこか気持ちよく感じる。

osakentaro : needle punch coat
amachi. : Double Hem Pants

年明け、元日は快晴だった。

関西の方には理解されないのだけど、雪が降る日より晴れた日の方が朝の冷え込みが厳しい。

外に出ると、あちらこちらに降りた霜が、年明けの光を反射し、閃光が走ったかのように、いつも以上に眩しく感じた。

霜の降りた風景

少し辺りを歩くと、路面に氷が張っていた。

地元にいた頃は当たり前に見かけた風景も、大阪にいるとすっかり忘れてしまう。

そんな氷をじっと見ていると、その氷上に現れる模様に心を奪われてしまった。

osakentaro  : knit top
osakentaro : knit muffler
YUKI SHIMANE : Hand Stitched Slit Knit skirt
YUKI SHIMANE : Neon line Handknit Arm Cover

僕が見た氷がたまたま美しかったのかもしれない。

それはまさに自然が生み出した、再現性不可能な、一期一会の美しさとも言える。

氷の花

「氷紋」だったり、「樹氷」だったり、「氷柱」だったり。

氷が生み出す美しい世界がある。

時間をかけて生まれるものだったり。

気温や風など、他の自然現象と出会うことでできるものだったり。

自然の力によって生まれる偶発的な美しい氷の世界。

「御神渡り」だって、そういった自然現象の一つなのだ。

ONICA : Airy - Cotton Turtleneck Jumper
osakentaro : needle punch lace vest

冬の朝。

布団から出るのは辛いけど。

そんな凍てつく寒さから見ることのできる美しい世界がある。

可愛かったり。

ランダムだったり。

美しかったり。

今回は、氷が生み出す、僅かな美しい世界を見た時の感動を思いながらアイテムをピックしてみた。

氷の花

氷が生み出す世界は永遠に残るものでもない。

消えゆく美しさで、儚い美しさでもある。

もし良かったら、そんな氷が生み出す儚ない世界を思いながら、装いという永遠に落とし込んでもらえると嬉しく思う。

なお、オンラインショップは下記からご覧いただける。

それでは、次回もお楽しみに。

amachi. : Decomposition of Line - Coat
osakentaro : denim pants

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