いとか | 父と家族の闘病日記
肺がんから脳転移し、終末期になった父と家族の闘病日記。自分の心を整理するため「親との別れ」をテーマに綴っています。
「お父さん、癌だって」 そう母に言われてから8年が経過した。 父は今も生きている。 がんと一緒に。 2016年父は肺がんステージ4と診断され、 手術を受けた。 無事に手術は成功し、 体力が落ち、辛そうだった父も だんだんと元気を取り戻した。 「癌なんて切っちゃえばなんともない!」 肺の片方は半分なくなってしまったけど、 がんと闘った父は笑いながら体験談を話し、 周囲には気丈に振る舞っていた。 抗がん剤治療も終え、 体力も回復し、 仕事にも復帰した父。 闘病とい
今日は朝方6時ごろ目が覚めた。最近いつもそうだ。目が覚めると父のことが頭をよぎり、胸がザワザワする。母から一日中ほぼ寝ている、と父の様子報告が来た。起きていることも辛いらしい。たった1週間でどんどん状況が変わる。今週、次女のお宮参りがあり、神社まで来てくれる予定だったが厳しそうだとのこと。来週、娘たちを連れて家に行こうかと思っていたが、どうなるかな。。長女の風邪が長引いていて、父になかなか会わせてあげられない。
「今朝オトンが一人で散歩に出て、転んだ」 10月23日に母から連絡があった。 体力を維持するためにも 毎日散歩してね!と私と母がうるさいくらいに言っていたので、 母が起きる前の早朝に父一人で出掛けていたらしい。 と言っても、マンションの敷地内をぐるっと 回るくらいなのだが 杖をついて歩いていたが トットットッとよろけて、 力が入らなかったらしく転んで おでこのあたりをぶつけてしまったらしい。 コンクリートだと危ないと思い、 必死の思いで草むらの方に倒れたそうだ。 そ
父と母が応援している大谷翔平選手が在籍しているドジャースがワールドシリーズ優勝した!!おめでとう!!!今日は病院の予定が入っていたのでYouTubeで見たそうだが・・・私はちゃっかり家でリアタイ。感動をありがとう!
10月17日、父は無事に退院し、 母と住む自宅に戻ってきた。 杖をつきながらではあるが 自力で歩ける。 いつもは地下鉄とバスを乗り継いで行った病院だが 階段も多く、不自由な足では危ないので、 その日はタクシーで帰宅したそうだ。 「ウーバータクシーを使おう」となぜかこだわる父と 「病院の前に停まってるタクシーで良いでしょう」と言う母の 小競り合いがありながら・・・ (父と母らしい) 無事に病院の前に停まっていたタクシーで帰ってきたようだ。 帰宅してからは、 自分でシャワ
二度目の面会は10月13日だった。 家で娘二人を見てくれていた夫、 またまたありがとう。 母と二人で待ち合わせをして 病院まで一緒に向かった。 土曜日だったので病院は外来がなく、 がらんとしていた。 面会室もあまり人がおらず、 父と母と私の3人でゆっくり過ごすことができた。 「コーヒー飲みたい」 会ってすぐに父が言った。 先日会った時は何も飲みたがらなかったのに。 父にカフェラテを買った。 それだけで、ただただ嬉しかった。 父は先日会った時よりも元気そうで、
父が10月1日に入院して、 面会に行ったのが10月4日のことだった。 転移した脳の進行が早いというので、 遠くに住んでいる兄も飛行機でやってきた。 生後2ヶ月の娘がいるので 家族3人揃っての面会は叶わないかと思ったが 夫が仕事先から帰ってきてくれて、 娘を見てくれることになった。 後悔しないように 「父が話ができるうちに家族3人揃って会っておきたい」と 思っていたから、 仕事の都合をつけてくれた夫、職場の方、 本当にありがたかった。 ありがとう。 父が面会室にやってき
父との別れを意識するようになってから 夢にまで父が出てくる。 愛おしくてたまらない我が子たちと過ごしていても、 友達や夫と楽しく話をしていても、 ふとした瞬間に父のことが頭をよぎり 胸がぎゅうっと締め付けられる。 父ががんになった日から、 そう遠くない父との別れを覚悟していたはずなのに 「来年の花火も一緒に見たいな」 「上の子が小学生になるのを見れるかな」 そんなふうに欲深くなっていた自分がいた。 私の結婚式で一緒にバージンロードを歩けた。 家族で旅行もできた。 孫
「癌の状態は開胸してみないとわかりません。 もし血管に浸潤していた場合は、 手術ができないのですぐに閉じます。 結構腫瘍が大きいので浸潤している可能性は高いです。 手術がすぐに終わったら、切除できなかったと思ってください。」 母と兄と私は担当医師からこのように説明を受けた。 要は、手術がすぐに終わったら最悪。 手術時間が長ければ、ひとまず安心だ!!!! お願い。 お願い、お願い・・・!!! どうか癌が取り切れますように。 血管に浸潤していないで・・・ どうか
「お父さん、癌だって」 ある日、夜遅くに自宅に帰ると母から言われた。 えっ・・・・? 父は今まで大きな病気もしたことがなく、 風邪とかもあまりひかないし健康な人だった。 毎日仕事の後にはスポーツクラブに行って、 大好きなゴルフの打ちっぱなしをして、 帰宅後は軽く晩酌をして過ごす。 自営業だからサラリーマンのようにストレスフルではないし、 休日はゴルフや釣りやヨットや その時々にハマっている趣味をやり、 好き勝手自由気ままに生きているような人だった。 「ステージ4の