見出し画像

編み物をはじめたきっかけと思い出

私が、編み物をはじめたきっかけは、母とおばです。

おばは、編み物歴何十年のベテラン。コツコツ丁寧な人で、やり始めたら極めるタイプ。私が子供の頃はよく、いとこのおさがりで、おばが編む完成度の高いセーターを貰っていました。

母は、おもに刺繍やレース編みなどを好み、着るものは作りませんでした。それは多分、自分で編む必要がなかったからだと思います。

そんな母が、私が高校受験の年、手芸屋さんで毛糸を買ってきたかと思うと、急に棒針で何かを編み始めました。狂ったように物凄い勢いであっという間に編まれた物、それはセーターでした。

完成して手渡されるまで、まさか私の為に編んでいるとは思いませんでした。

初めて母が編んでくれたセーター。編み目はガタガタ、色はド派手。袖や裾のゴム編みが異様に長く「なんだか着るのが恥ずかしい・・・」と思いましたっけ。

親に感謝もせず当たり前のように受け取り、なんて恩知らずな・・・。受験生だから風邪をひかないようにと作ってくれた物だったのに。「お母さんごめんね、もっと喜べばよかった・・・」と、今では後悔しています。

そのセーターは、勿体なくも「家着」となりました。

当時の私、がっかりした様子が、顔に出ていたと思うのです。だから「次」があるとは思っていなかったのです。しかし、母はもう1着編んでくれました。

母作・2着目セーターは、可愛い色でしたが、しかし編み目は1着目よりも不揃いでした。途中、手がゆるみ、同じ段数編んだにも関わらず、左右・袖のサイズが合わなかったそうです。ゴム編み部分やとじはぎで強制的に調整したと話していました。

何でも器用にこなす母がなぜ?
他のことは上手にできるのになぜ?

おばの編む完成度の高い手編みのセーターが「普通」だと思っていたせいもあり、母作セーターは、私にとって衝撃でした。

ちなみに、母の編み物熱は、2枚で終了。

何事も、初めからうまくいくわけではないのだな・・・と知り、おばに教わって自分で編む事にしたのが、10代後半の頃です。

糸を自分で選んで編むようになって、母とおばのありがたみが、身にしみました。上手に編めないし。何度も間違えるし。編んでほどいて編んでほどいての繰り返し。編む手間はもちろんのこと、金額的にも毛糸ってピンキリで・・・。セールで購入したとしても、良い毛糸で編むと、1着完成させるのに1万超える!

おばも母も、ケチる人ではなかった。だからこそ、あの頃に着た手編みのセーターは、柔らかくふわふわで艶があり、あまり毛玉にならず、暖かくこの身を包んでくれたのだと、今ではわかる。

かなり質のよい毛糸で編んだのだろうと、今ではわかる。

そう、今では色々わかるのです!(←しつこい)

さほど裕福ではない一般家庭であったから、家計の事も考えなくてはならなかったろうし、母の性格上、色より素材の「質」重視で、1枚目セーターがド派手だったんだろうなーとか、がっかりした顔を見せたから、2枚目は可愛い色にしたんだろうなーとか、ね。

「お母さん、ありがとね。2枚とも凄く暖かかったよ」と、いつか伝えようと思いながら、そのままになってしまいました。

まぁ、今となっては、編み物をはじめたきっかけは、どうでもよくって。ただ、編み物をしていると、昔の事を思い出すので。懐かしく思いながら・・・感謝の気持ちをかみしめながら・・・これかも編めるかぎり、細々と続けていこう!と思っております


いいなと思ったら応援しよう!