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SNS詐欺と職場のコミュニケーションの共通点とは?
『自走するチームの作り方』著者で、チームビルディングコンサルタントの伊藤じんせいです。
部下とのコミュニケーションに困っている上司の方に役立つコラムを日々、投稿しています。
最近、フェイスブックなどの広告を利用したSNS詐欺が急増していて社会問題になっています。
先日もホリエモンや前澤友作氏が、国会でメタ社の詐欺広告について意見をしました。
前澤氏に至っては、直接、メタ社に乗り込み、抗議するなど、怒りを表明しました。
私は専門家として、SNS詐欺の問題は上司と部下のコミュニケーションの問題と構造が同じだと思いました。
ですので、今日は、この話題について取り上げていきたいと思います。
SNS詐欺に引っかかる人の特徴は、有名人の権威性を盲目的に信じてしまう点にあります。
有名人の言葉や行動に権威を必要以上に感じるため、無条件に信じてしまい、その結果、詐欺に騙されてしまいます。
このような権威性の罠は、職場での上司と部下のコミュニケーションでも見られる現象です。
部下は上司の言動を絶対的なものと捉えてしまい、上司の言動に疑問を感じても、未熟な自分が誤っていると思い、質問や自分の意見を表明することができません。
上司も人間ですので誤った判断をすることもあります。
しかし、上司を絶対視する雰囲気や、必要以上に上下関係がはっきりした社内文化により、部下は上司に意見を言うことができません。
このような行き過ぎた権威性が、社内での意見を黙殺し、その結果、食品偽装や製品の欠陥を隠蔽する問題に繋がっているのです。
このようなことを防ぐために、上司は部下に一方的に指示や命令をするだけでなく、日頃から部下から意見や疑問点を言ってもらえるような雰囲気作りが必要なのです。
そこで、私が推奨するのが、バックトラッキングの演習です。
バックトラッキングとは、相手の言ったことを繰り返し、自分の理解を確認することでコミュニケーションを円滑にするコミュニケーションテクニックです。
この技術を活用した傾聴の練習は、相手の話した内容を受け入れ、話をしやすくするのに非常に効果的です。
バックトラッキングを活用した傾聴の練習
目的:バックトラッキングを用いた傾聴スキルを身につけ、相手の話を正確に理解し、信頼関係を強化します。
参加者:ペアで行う
【練習の手順】
ステップ1:導入
バックトラッキングの概念と重要性について説明し、例を示します。
例:話し手:「最近、プロジェクトの締め切りに間に合わなくてストレスを感じているんです。」
聞き手:「プロジェクトの締め切りに間に合わなくてストレスを感じているんですね。」
ステップ2:ペアワーク
参加者をペアに分け、一方が話し手、もう一方が聞き手の役割を担当します。
話し手は、最近の出来事や仕事上の課題について2分間話し、聞き手はバックトラッキングしながら繰り返します。
例:話し手:「昨日のミーティングで、チームの進捗が遅れていることに気づきました。」
聞き手:「昨日のミーティングで、チームの進捗が遅れていることに気づいたんですね。」
※以降、アドリブでバックトラキングをしていきます。
ステップ3:ペアでの気付きのシェア
各ペアが練習の後、気付いたことを互いに話し合います。
ステップ4:グループディスカッション
全体で集まり、各ペアのフィードバックと学びを共有します。
バックトラッキングがどのようにコミュニケーションを改善したか、具体的な例を出し合います。
まとめ
バックトラッキングを活用した傾聴の練習は、部下が上司に対して、自由に質問や意見を述べられる環境を作ることを可能にします。
部下が上司に対して、自由に意見を言える社内風土が、健全な組織をつくる鍵ですので、ぜひ、この演習を活用ください。
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