ホリエモンのツイートから学ぶ:「質問に答えない上司の方が部下を成長させる上司」の理由とは?
『自走するチームの作り方』の著者で、チームビルディングコンサルタントの伊藤じんせいです。
部下とのコミュニケーションに悩んでいる上司の方々に役立つコラムを日々投稿しています。
先日、ホリエモンこと堀江貴文氏が「質問に対する答え」をテーマに投稿したツイートは、上司と部下の関係について深く考えさせられる内容でした。
ホリエモンは、作家の平野啓一郎氏が
「本当に賢い人って、1を聞いただけで、或いは相手が0.3位しか上手く言えなくても、10まで理解してサクサク答えるような人ではないか。コミュニケーションのコストが無駄に高い人(冷笑的、恫喝的、言葉のマイ定義に拘る、話を聞かない、嘘つき、論点ずらし、etc...)は困る。特に政治家は。」
とXに投稿した内容に言及したのです。
ホリエモンの意見によれば、質問に対して直接答えることは、質問者の成長を妨げる可能性があるとのことです。
平野氏のいう「1を聞いただけで10まで理解してサクサク答える」というコミュニケーションは、お客様との関係においては正解です。
しかし、ホリエモンの「質問した人が馬鹿なまま、これでいいんだ、ってなって成長しない」という指摘は、お客様との関係ではなく、上司と部下の関係に当てはめると非常にしっくり来るのです。
実は、質問に対して質問で返すようなコミュニケーションを取る上司も部下の成長を促すことに貢献しているので、否定されるべきでは無いと考えます。
部下が稚拙な質問をしてきた場合、そのまま答えてしまうのは簡単ですが、それでは部下の考える力や問題解決能力を育てる機会を逃してしまいます。
例えば、部下が「どうすればこのプロジェクトを進められるでしょうか?」と質問した場合、上司は、すぐに回答するのではなく、「まず、どのようなステップを考えていますか?」と一旦質問で返して、部下に考えさせた方が部下の成長に繋がります。
上司は、質問に質問で返すことで部下自身が問題解決の糸口を見つけることができるように手助けをするべきなのです。
私は、部下が自ら考える力を養い、質問返しをする上司にも対応できるようになるために、上司と部下の役割を交代し、特定のテーマに沿ったロールプレイを組織で実施することを推奨します。
ロールプレイは、部下が上司の立場に立って考える機会を提供し、実際の業務に役立つスキルを身につけるのに非常に効果的です。
例えば、「新しいプロジェクトの進行計画を立てる」というテーマでロールプレイを行い、部下が上司役、上司が部下役を演じることで、部下は質問力を高めることができます。
今回のホリエモンのツイートは、上司は単に部下からの質問に答えるのではなく、質問者である部下が自ら考え、成長する機会を提供することの重要性を示しています。
上司の役割は、部下が自己解決能力を養う手助けをすることで、それは最終的には組織全体の成長につながります。
ロールプレイなどの実践的なトレーニングを定期的に実施して、部下と組織を成長させていきましょう。
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