しずけさが満ちる夜。ささやかな、記念日。
こんな、息をのむような静けさと、すいこまれるように見つめてしまう時間が、あるのだなと思った。
休日の夜。もう少ししたらみんなで寝ようという時間に、ふと気づいたら、起きている間はずーっとおしゃべりしているんじゃないかっていくらい話すのが大好きな息子が、やけに静かだった。
なにかに集中して遊んでいるのかな? まさかもう、寝てる……?と思って息子のいる方を見ると、彼は、絵本の並んだ本棚の前に座り込み、手にとった1冊の本を開いて、じっと見つめていた。
しばらくすると、ページをめ