声優に興味のなかった僕がシンデレラガールズに求める「ロマン」を考える話
声優ライブ=客席はオタ芸
勝手なイメージを持っていた僕が声優個人に興味を持った話は前のエントリにて。
キャラクター>声優
この図式は今も変わらない。少し凝り性というくらいで、アニオタというには知識や没入度合いが浅はかだという自覚がある。
そもそも僕はどんなキャラクターに惹かれるのか。
僕はよく「ロマン」という言葉を用いるのだが、「萌え」のように定義するのは難しい。
「おおきなおともだち」になってから観た戦隊ヒーローの中で、特に惹かれたのは『烈車戦隊トッキュウジャー』だった。
少年少女が大切な人や街を取り戻すために、大人になって戦うという設定が好きだった。
大切なものを失わないために、子供である時間を犠牲にする。それがロマンだと思った。
『仮面ライダーカブト』では地獄兄弟が好きだった。
エリート組織でトップだった、プライドの高い男が地の底へ堕ちていく。
自分の意思で戦うカブトたちに、皮肉な笑みで「かつていたはずの光の下に今はもう行けない」とぼやく矢車の兄貴がロマンそのものだった。
あろうことか『HUGっと!プリキュア!』にもロマンを感じていた。
心を許し合った相棒のルール―が、未来に帰れば自分との記憶がなくなると分かっていても、時には自分の感情を押し殺して仲間を励まし守る愛崎えみるが好きだった。
えみる回はいつも泣いた。ギュイーンとソウルがシャウトした。
ニチアサ歴から解析すると、僕の思う「ロマン」はつまり「失わないように求める」こと。
もしくは「失ったものを懐古する」こと。
それでいて、「先へ進もうとする」こと。矢車兄貴も最後は光を見ていたんだ。
定義するには足りないが、大まかに言えばこういうことだと思う。
さて、シンデレラガールズに話を戻す。
僕はアニデレから入って、今ではモバマス・デレステともに自分で決めた課金上限を安易に突破するPをやっている。
担当アイドルは諸星きらり・市原仁奈・遊佐こずえ。
ボイス実装されてからは喜多見柚も担当しているが、まだ初心者だ。
喜多見柚を除いて、担当する3名のアイドルには「ロマン」を感じている。
先に喜多見柚を除く理由を述べると、担当になった理由が単に歌声に脳が溶けたからだ。
もちろん諸星きらりと市原仁奈の声にも脳は溶けてる。
ただ、喜多見柚には脳が溶けたばかりなので、まだ「ロマン」を見出すほどプロデュースできていないのだ。不甲斐ない。
「ロマン」の話に戻る。P特有の妄想が大いに紛れ込むが、界隈ではよく見られる症状なので許して欲しい。
諸星きらりは周知の通り、身長と言葉遣い、ファッションが非常に独特だ。
弱冠17歳の彼女は、年相応以上にかわいいものが大好きなのに、身長の為に「自分には似合わないのでは」と不安を持っていた。
それでもアイドルになって、自分なりの「きゃわゆい」を「追い求め」ることを選んだ。
諸星きらりにとって、失うかもしれないものは「周囲からの評価」。
失う恐れを乗り越え、「在りたい自分」を求めることに邁進する。
これが「諸星きらりのロマン」だ。
市原仁奈は9歳という自立も何もない年齢にも関わらず、中々両親と過ごすことができない。
託児所のようにアイドル事務所へ入れられ、親に褒められる着ぐるみをまとい、おかしな口調ながら丁寧な話し方を心がけている。
彼女はアイドルになって、事務所に行けば「大人」が必ずいることと、かわいい衣装を着れば「大人」に褒められることを学んだ。
それと同時に、年齢の近いアイドルたちと協力することでステージを作り上げる達成感も手に入れている。
「誰かに認識される」ことを失わない為に、「楽しくて嬉しい場所」を求めている。
これが「市原仁奈のロマン」だ。
3人と言いつつも遊佐こずえは単純にキャラクターが好きだった為、彼女自身にはまだロマンを感じていない。
天才肌のアイドルといえば双葉杏や一ノ瀬志希がいるが、努力をしたくないという主張がある彼女たちとは違い、台詞を覚えることが「得意」だと名言しているし、共に努力する仲間がいる場所を「好き」だとも言っている。
たぶん彼女は、無意識に好きな場所へ向かい、無意識に天才的能力を発揮しているのだが、同じふんわり系の村松さくらや古賀小春との差はここにある。
今後、年齢を重ねた時に(重ねないけど)、他人よりは薄くとも自意識が芽生えた彼女がどんな感情を抱くのか、それが楽しみだ。
遊佐こずえには初めて「声が付く」という経験をさせてもらい、その過程に新しいロマンを見出した。
これが多くのP達の通ってきた道か、と感激しているのだが、それはまた別のエントリで。
シンデレラガールズに求める・感じている「ロマン」は他にもある。
アニメから入った為、笑顔を失いかけ、笑顔であることを選んだ島村卯月のファンだ。
楽しいだけではダメだと洗練を受け、それでいて楽しむことを追求した本田未央のファンだ。
常務に選ばれたにも関わらず自身のアイドルとしての原点を捨てなかった高垣楓は神だ。
シンデレラガールズはみんな「ロマン」を持っている。
僕が見つけられていないだけで、どのアイドルも失い、求め、守り、そして輝いている。
そんな彼女たちをこれからもプロデュースしていきたい。
あとほんと勝手な憶測なんだけど、佐藤心の「スウィーティー☆」と夢見りあむの「尊み」は「ロマン」です。