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捨てた花束

あなたが簡単に捨てた花束を
私は後生大事に抱えている。

茶けて 朽ちて ばらけて
いつか 土に還るのに。

あまりに軽く あまりに脆く
あったことさえ 忘れていくのに。

名も 色も 匂いも すべて
いつかは 地球の肥やしとなる。

覚えておける保証がない。
私もいつか還るのだ。

それでも それでも
両腕がからになるまで。

(あなたは忘れてしまうのだ)

#全読 #詩

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