カルペ・ディエム

僕は今、論文発表をしなくなって学会から見放された、世論から忘れられた研究者の心持ちでいる。

脳裏に閃く言の葉は、全てが散り散りとしていて脈絡がない。
手の届かない星々をかき集めるのと同じ、手応えのない様はなんとも虚しい。

何処へ、何処へ、何処へ!

己の中に確かにある筈のそれらは、指先をするりと抜けていく。

言葉を紡ぐこと、それだけが僕にとっての世界だ。生き様だ。

それ以外のさいわいを、僕は知らない。

だからこれは、死ぬまで続く物語だ。

#雑文 #ss #詩

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