白線 壱宍 (若槻きいろ) 2019年8月4日 16:53 白線を往く。そのやわく不透明な淡いを、弾んだ、合わせたすり足で通り往く。途切れる黒の穴を、すぐ隣の暗を、見ぬふりして追い抜くように。 終に見なかった屍たちが後方の向こうで蠢いている。混ざり合って尾を引いて、過ぎた線は灰となる。 進むは定められた路だけで、他には何もありはしない。只々往くこと、それだけが、己なんだと疑わなかった。 濃い陰りが高々伸びて、いつしかぴたりと、こころと合わさる日が来る。そんな夢を、なけなしの期待と往く。 #詩 #雑文 #ss #全読 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #詩 #雑文 #ss #全読