いつ起きてもおかしくない大規模噴火 「破局噴火」 ~1~ 火山とは? 噴火とは?
日本は世界有数の火山大国である。関東にある浅間山、九州にある阿蘇山、桜島などは教科書にも載っている「活火山」だ。
気象庁によると、「活火山」とは過去1万年以内に噴火した火山や、現在においても活発に活動を続ける火山のことをいうそうだ。また、過去、長い活動がなくとも将来において噴火する可能性がある火山を、「活火山」という。
日本では、全国にこの活火山が111あり、実に世界の活火山の7%を占める。しかし、これまでは私たちは火山の噴火によるリスクは、具体的に現実的なものとして認識してこなかった。
ところが、ここ数年、火山の脅威を現実のものとして認識しなければならない事態が、日本各地、あるいは世界で起きている。
2014年9月、岐阜県と長野県にまたがる御嶽山が水蒸気爆発を起こし、57人が亡くなった。あるいは、翌2015年4月下旬から神奈川県に位置する箱根山で火山性の地震が頻発、危険地域への立ち入りが禁止された。同じ頃には、鹿児島にある口永良部島でも火山性地震が頻発する。
2020年に入ってからは、小笠原諸島の西之島で大量の火山灰をともなう噴火が発生。2021年には、硫黄島の南に位置する海底火山である福徳岡ノ場で噴煙が高さ16000メートルにも達するような大規模噴火が発生。
今年に入っては、南太平洋のトンガ諸島付近のフンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山でも大規模火山が噴火した。
ただ、とくに箱根山が首都・東京に最も近い活火山である。箱根山は、約6万年前に大噴火し、その結果、現在の神奈川県のほぼ全域が火砕流による堆積物に覆われたという。
もし現代において、この箱根山が6万年前と同じような大きな噴火を起こせば、神奈川県は“全滅“、死者が800万人以上も出る可能性があるという。
このような巨大噴火には至らないにせよ、水蒸気爆発やマグマが噴出する噴火が起きた場合、カルデラに囲まれた芦ノ湖を含む箱根一帯は火砕流も想定され、観光地としての打撃は避けなれない。
箱根といえば、温泉が有名だ。しかし同時に箱根山は過去23万年の間に11回の巨大噴火を起こしてきた。このような大規模な噴火は、「巨大噴火」「破局噴火」という。
今回は、この巨大噴火について考えていく。
火山とは何か
火山は、ときに脅威的な噴火をもたらす。噴火活動は、地球の内部からマグマが湧き出し、それが噴出すれば、ときに私たちの社会生活を脅かす。世界には、1500もの活火山がり、そのうち日本には111もの活火山が存在する。
火山とは、たとえていうなら「地球の熱を排出する煙突」のこと。地球の中心となるコアの5500℃という超高熱のものがマントルに伝わり、マントルを動かし、大陸を少しずつ動かし、海溝で沈み込み、火山を作り噴火させる。これは、「海溝型」の火山だ。
また、超高熱のマントルがコアの真上から地上をめがけ、密度差・温度差があるマントルの中を上昇し、火山をつくることもある。これは、「ホット・スポット型」の火山だ。主にハワイにある。
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