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国内軽自動車の勢力図を塗り替える?! 日産のEV軽「SAKURA」の衝撃

「生産が追い付かずに、多くのお客様に待って頂いています。」 日産の営業マンはそう言って頬を緩ませる。日産がさる5月20日に発表したCO2を一切出さない日本専用モデルの軽自動車「SAKURA:サクラ」が都市部の幅広い層からも人気を集めている。既存のガソリン車とは別格とも言える「SAKURA」の魅力を探った――。
 
 「SAKURA」に関係する日産社員は異口同音に「ぜひ一度、リアルに販売店に行って試乗して頂きたい」と話す。試乗すれば、その良さが実感できる、という自信があるのだろう。星野朝子執行役副社長は「SAKURAの特徴は何と言っても、電気自動車の胸がすくような走行性能と静粛性と室内空間の広さにあり、従来の軽自動車の悩みを解消した」と語る。
 
「サクラ」人気の背景には、国や自治体からの補助金もある。国のクリーンエネルギー自動車購入の促進補助金を利用すると22年度は55万円の補助金が出る。加えて各自治体の補助金もある。東京都の場合は45万円。この2つを利用するとSグレードで180万円まで下がる。多くのユーザにとって手が届きやすいクルマになったのだ。
 
「サクラ」の軽自動車とは思えない走行性や乗り心地と水引きを基調とした洗練されたデザイン性、軽自動車特有の小回りの良さ、さらに価格水準から都市部の顧客が殺到することになった。東京都の補助金を受けるため、他県から住民票を移す例もあるそうだ。

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