#49 学問をする眼目は、自己を磨き、自己を確立することにある。
この言葉は松下村塾を運営していた吉田松陰先生がのこした言葉です。
「眼目」というあまり聞きなれない言葉がありますが、これは、「重要なこと」と同じような意味で、今風にいうと「主眼」に置き換えたらわかりやすいのではないかと思います。
「重要なことは、自分の得意や、目指したいところを見つけて磨くことである」という意味になります。
松陰先生は、今でいう「熟議」のようなものを取り入れて門下生同士で話し合いをさせたり、わからないところをただ解説するだけではなく、「気づき」「ヒント」を与えるような学びの工夫をしたりしていました。
令和の時代の私から見ても、時代を先取りした教えをされているように感じます。
松下村塾の近くに、「萩往還」という道の駅があり、その中に松陰記念館が併設されています。
記念館の中に、松陰先生の模擬授業が再現されているブースもありますので、興味のある方は、ぜひ足を運ばれてみてください。
松陰先生は、教育の世界をかじっていた私にとって、とても大きな影響を与えた偉人の一人です。
先生が教鞭をとっていた松下村塾に、実際何度か訪れたことがあるのですが、建物はとても狭く、不便な場所にあります。
また、松下村塾で実際に松陰先生が教鞭をとったのは1年ほどしかないといわれています。そのなかで、幕末から明治維新にかけて活躍した人たちが、かなりの確率で松陰先生の門下生として存在しています。
松下村塾は、近くにある明倫館のようなエリートの集まりではなく、近所の子どもたちを集めたような場所です。実際、超ご近所に伊藤博文の生家があります。
近所の子どもたちに魔法のことばをかけて、明治時代のキーパーソンに仕立て上げる松陰先生のような先生、令和の時代にもたくさんいるといいですね。
そういう先生のもとで自分を磨く訓練ができたら、もう最高です(^_-)-☆