
Obsidianで書籍のつながりを可視化する
普段なんとなくやってることが、「ツェッテルカステン」とも「読書メモ」ともちょっと違う気がする気付きを得たので、残しておきます。
読書メモをObsidianで取る目的
しばらく(3年くらい)続けていて、下記の目的で落ち着きました。
「書籍上の知識やエッセンス」を可視化し、関連性を見出す
「書籍のどの部分に書いてあったか」を後からトレースできるようにする
「自分は普段どんなことを気にしているか」を具体化する
また、日々の行動記録もObsidian上に(DailyNoteとして)置いておくことで、下記のようなサブ目的もなんとなく達成できるようにしています。
「その時期、どんなことに興味を持っていたか」を思い出せるようにする
「人からおすすめされたことやもの」を過去のメモから引っ張り出す
普段の読書メモの取り方
1冊1ファイルを用意し、下記の要素をメモしながら読書しています。
ほんとは紙とペンが好きなんですが、電車内だとなかなかメモできないのでこの形に落ち着きました。
ObsidianはMarkdown書式で書けるので、そのあたりも好き。
読書メモの内容
メタ情報
Obsidian上で管理するためのタグ情報や、ISBNなど
メタ情報として「tags: book」を必ず付与(理由は後述)
読書履歴
「いつ」「何ページまで」にどれくらい読み進めたかをメモ
いつ頃読んでたかを後から知るために記録してるけど、読書ペースとかも算出できたらいいなーの気持ちもある。
読書メモ
ピンときた部分やなんとなく刺さった部分を、ページ数と共に転記する。読書中に考えたことやアイデアもついでに記載する。
「ページ数」は他の場所からその文章にたどり着いた際、「書籍のどこに書いてあったか?」までたどり着けるようにするために記載している。
転記・アイデア部分は[[~~~]]で括り、内部リンク(Obsidianの機能)にしておく。
読書前の思考(任意)
読む前に書く。
「その本をなんで読みたいと思ったか」「何を知ろうと思って手に取ったか」をざっくり書いておく。適当で良い。
読書サマリ(任意)
読み終えた後に書く。
もし他の人に「どんな本なの?」を聞かれたときに、なんて答えるかをなんとなく書いておく。
💡 ツェッテルカステンだと「自分の言葉で再構成してから書くべし」といった制約があります。
ただ、この読書メモは前述した通り、「知識のつながりを可視化する」「どこに書いてあったかを後からトレースできるようにする」が主目的であり、「自分の理解を深める」は二の次であるため、このようにしています。
読書メモの実際のイメージ
上記のような指針で書くと、下記のような感じになります。

それぞれの読書メモファイルは、ルート直下の「Book」フォルダにまとめています。
各メモを内部リンクとして作成すると、まず「内部リンクであるが、リンク先ページは実際には存在しない」状態になります。
リンク先に遷移すると実際のページが作成されますが、基本的にはこのまま(実際のページを用意しない状態)でOKです。
書き溜めた「メモ」同士をつなげていく
Obsidianに落とし込んだメモのうち、関連がありそうなメモ同士を「内部リンク」でつなげます。
読書中にこれをやると読み進めが止まってしまいますが、後からやろうとするとなかなかできないので、読書中にこそやるべきと考えています。
この「メモ同士の紐づけ」を行うことで、書籍同士のつながりが発生し「その著者が真に述べたい事」を多角的に把握できるようになります。


💡 Obsidianには「バックリンク情報(どのファイルからリンクされているか)」を表示する機能がついているので、どちらのページから書いても大丈夫です。
(メモA内にメモBの内部リンクを貼ってもいいし、メモB内にメモAの内部リンクを貼っても良い)
グラフビューで俯瞰してみる
グラフビューには、下記の設定・フィルタを適用します
・"book"のタグを付与しているものに色を付ける
・DailyNote(日々の記録をするページ)は表示しない
書籍やそれに紐づくメモが少ない時はそうでもないけど、ある程度溜まっていくと、以下のように「書籍間の関連性」や「自分が大切にしたい考え方やピンときたキーワード」が可視化されます。とても楽しい~

💡 「内部リンクであるが、リンク先ページは実際には存在しない」メモも、グラフビューに表示されます。
読書メモを実際に取るときの流れ
読書メモを取るときの実際の流れは、以下のような感じです。
スマホ(またはPC)でObsidianアプリを付ける
今日の日付のDailyNoteが自動的に開かれる
これから読む本への内部リンクをDailyNoteに作成する
これから読む本のページに飛ぶ
(新しくページを作成した場合)あらかじめ用意してある「読書メモ」のテンプレートを挿入する
読書メモを取っていく
💡 ツェッテルカステンを構築するときの指針にもあるけど、「メモを取るルーチンを如何に簡略化するか」は重要なポイント。
紙とペンではそうもいかないけど、スマホだといつでもどこでもメモを取れるので、「メモを取りたいのに取れない→続けなくていいや」の思考を防げます。
同じ仕組みを作るときのObsidianの設定ポイント
この方式で読書メモを取る・メモを可視化するときは下記のようなポイントに留意します。
「デイリーノート>起動時にデイリーノートを開く」の設定をONにする
メモを取るまでの流れをできる限り簡略化するため。
デイリーノートをルート直下の「DailyNote」フォルダに保管する
グラフビューで非表示にするための条件に組み込むため。
読書メモのページをテンプレート化する
メタ情報「tags」の付与や、見出しの付与を楽にするため。
デバイス間でファイルを自動同期する
いつでもどこでもメモできるようにするため。
周辺機器がiOSで統一されている場合はiCloudを、そうでない場合は有償ですがObsidian Syncをおすすめします。$48/年なのでちょっとお高いですが…
以上、ずぼらな私がなんだかんだ続けられている読書メモの整理に関するお話でした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。