現代人が『聖戦士ダンバイン』を観るよぉ ①
みなさん、異世界転生してますか~~~~~~?
……返事がないので異世界転生中だということで話を進めさせてもらいます。
今回は「聖戦士ダンバイン」を観たので皆さんにその良さを伝えていきたいと思います。
ダンバインは1983年2月から1984年1月まで放送されていた日本サンライズ(現:バンダイナムコフィルムワークス)のアニメ作品です。なんと40年も前の作品!多くの元少年達はスパロボに出てくるなんか強い奴、という認識でありましょう。
この記事のシリーズでは一度に5話ほどずつ簡単にストーリーをおさらいしつつ掘り下げていきたいと思います。全49話を5つずつ紹介してイジっていき、全10部の記事となる予定です。
※また最終話近辺ではネタバレを含む予定です!
第一話 聖戦士たち
海と陸の狭間にあるという人間の魂の安息の地、バイストン・ウェル。
モトクロスバイクの選手であるショウ・ザマはHONDAゴールドウイング・アスペンケードでの夜間走行中その世界に突如として召喚される。
異世界での妖精種、エ・フェラリオのシルキーマウが持つオーラロードを開く力により高い「オーラ力」を保有するものとして選別を受け、オーラマシンを駆る戦士として戦うためだ。
ヒューッ!転生ものはこうでなくちゃな!
だがこの時代の人はみんな血の気が多いので、ショウはいきなり知らない所に連れてこられて、命を懸けて戦えなどと断ると召喚儀式を行った者達に踊りかかる。武器は持たない。カラテだ!
だがショウは召喚儀式の中心人物の一人、バーン・バニングスにボッコボコにされ従わされる事となる。
異世界自体はいわゆる中世ヨーロッパ然とした世界観と生活様式なので、さすがに40年前の人といえどフィジカルでは上回れないのかもしれない。
翌日ショウは同じく召喚されたアメリカ人のトッド・ギネス、ロシア人のトカマク・ロブスキーと共に中世ヨーロッパ風異世界には似つかわしくないロボット生産工場の見学に向かわされる。
ショウ達より先に召喚を受けた元ロボット工学の権威、ショット・ウェポン(人名)が元からバイストン・ウェルに存在する機械と自身の知恵、そしてオーラの力を融合させて作り上げたオーラマシンの工場だ。
なんとか獣の外殻を利用したガラス様のパーツやオーラマシンのワイヤー、と称するものの、見た感じ何かの生物から切り出した筋肉繊維など有機的なロボットである事を強調されている。
ただ電子系統には集積回路が使われているようだ。サラッと流しているけどすごい丁寧なリアリティ強調シーンだな。こりゃ。
これをさせているのがショウ達が召喚された異世界の一角、『ア』の国地方領主ドレイク・ルフト。
元から野心の高い男であったが、ショット・ウェポンの召喚とそれに伴う強力なオーラマシンの製造により世界征服の野望に乗り出したのだ。
ただバイストンウェルにもお金の概念があり、多くのオーラマシンを製造するための資金調達としてその製造知識や技術をドレイクは方々に売っているため、
武力での侵略に異を唱える同じくアの国所属の『ギブン家』という豪族とオーラマシンで対立する事になっている様子だ。
このアニメ、リソース管理のリアリティが妙に高く、異世界転生者を無尽蔵に呼ぶ訳にはいかない理由とか、先述のロボ工場で集積回路を手作りしているシーンとか、ドレイクが自分の所だけでオーラマシンを占有して攻撃に乗り出せばいいのにそれが出来ない理由とかすごくよく出来てるんですよね。
まぁそもそもオーラバトラーがオーラ力というフリーエネルギーで飛んでるんだし、後々リソースとか関係なくなるんですが。
そのギブン家に襲撃を受けた事を理由にドレイクは緑ダンバイン、紫ダンバイン、紺ダンバインという早口言葉みたいな新造機体を聖戦士、つまりショウ達に与え人間の騎士ガラリヤと共に攻勢にかかるのだが、
ギブン家の若殿二ー・ギブンにより緑ダンバイン(ロシア人聖戦士のトカマク)を撃ち落とされ
近接兵装しか持たされていなかったショウやトッドは為す術なく敗走する。
その戦いの最中、ショウはギブン家のオーラマシン、ダーナ・オシーを駆る女聖戦士マーベル・フローズンにドレイクの野望に手を貸さぬよう説得を受けるのだった。
バイストン・ウェルはあの世とこの世の中間地点のようなもので、人間的欲望で武力制圧を進めるなど以ての外という訳だ。
そうは言われても召喚されたばかりであり、バイストン・ウェルの事はショウも視聴者も分からないためその場ではマーベルとは物別れに終わるのだった。
第二話 ギブンの館
早朝からトッドの部屋に訪れた来客との会話に聞き耳を立てるショウ。客人はドレイクの娘であるリムル・ルフトだった。
リムルは反ドレイク陣営ギブン家のニーと心を通じ合わせており、召喚された地上人のトッドに
ドレイクの世界征服に手を貸さぬよう頼みに来たのだった。
リムルはバイストンウェルの調和を重んじる心を持つものの、軍行動の経験もあり都会的で冒険的な感性を持つトッドを篭絡することができない。若いためか、感情的で説得が稚拙だ。この後ショウもリムルの話を聞こうと試みるが、反ドレイク陣営にショウを引き込む事もできなかった。
ショウとトッドはドレイク軍の正規騎士達に引き合わされ、聖戦士として共に戦うに値するか認可のために体育会系部活の儀式のようなものに参加させられる。
まあ体育会系といっても中世ヨーロッパの時代レベルなんで、はかいのてっきゅうみたいなのがショウ達にめがけて飛んでくるんですが。
ここでは空手をやっていたというショウの身のこなしが見事であるという描写が強調して描かれる。異世界召喚をされてエースパイロットになる為には運動神経も良くなくてはならない。
みんなもいつ召喚されてもいいように今日から体を鍛えておこう。
正規騎士達と顔合わせを済ませた後、第一話で聖戦士歓迎のお祭り中にオーラマシンで襲撃を行ってきたギブン家陣営に申し開きをさせるためにバーン・バニングスとショウはロムン・ギブンの館へ向かう。
ちなみにバーンたち騎士が乗る馬は額に一本のツノがあるものの我々の知っている馬そのものであり、目的地まで緩歩するその様は中世ヨーロッパ時代さながら。背景も地上人である我々が見たらどこが剣と魔法のファンタジーやねん、となってしまうだろう。
メタ的な話ではダンバインをやっていたこの時代はまだ剣と魔法の世界はまだ一般的ではなかったらしく、杖から魔法が出て敵を討つという表現さえも伝わらなかったようだ。
日本人の一般的なファンタジーの概念を変えたドラクエは1986年でまだ1年以上先であり、石造りの城砦にカラフルな髪の毛のキャラクターが両刃の剣を持っていたらそれだけでファンタジーだったのだ。
ギブン家では当主のロムンが先述の事件の申し開きを行うも、ロムンとその息子ニーは二重の謀略を敷いていた。
金子を積み、バーンとその近衛騎士達をドレイクから寝返らせようとするように見せかけて、その会話内容を録音機器のように覚えて話す事の出来る妖精に聞き取らせ『ア』の国王へドレイクの軍備拡張や謀反の用意がある事を知らせようとしたのだ。
前半部のリムルのトッドへの説得の下手さと対比が光る。人は利がなければ動かない。
リムルも「シルキーマウに何とかして力を振るわせ地上に帰れるようにします。当面の生活は貴族並みの待遇を約束しますので、ひとまずドレイクの元から去ってもらえませんか」とでも言うべきだったのだ。
オラオラ!ダンバインは子供向けじゃねぇんだ!!いや子供向けにしろ!!!!!!!
録音妖精、「語りべのツオー」を置かれている事を察知したバーンはロムンの勧誘を一旦保留すると見せかけて時間を置き、
アの国王へ報告へ向かおうとしたロムンの妻カーロとツオーの乗る馬車ごとオーラマシンで攻撃を行い殺傷、そのままロムンの館を焼き払いにかかる。
館の破壊には成功するが、整備のためすぐ近くに控えていた二ーの飛行機械、フォウとマーベルのダーナ・オシーの反撃を即座に受けトッドが撃墜。パイロットであるトッドは何とか生還するもこの戦いで紺ダンバインを失う事となった。
第三話 ラース・ワウの脱出
領民の戦意発揚を図るためラース・ワウで大げさにオーラマシンの凱旋と戦勝パーティーを行うドレイク。戦った相手は同じ国の人間ロムン・ギブンであったのにだ。領民から丸め込む算段なのだろう。
この官軍の雰囲気でアの国王へ『逆賊、ギブン家を成敗しました』とでも報告できればドレイクの正当性と戦力増強は確かなものとなるだろう。目の前で行われる不正にショウの心は波紋を立てる。
翌日、オーラマシンの整備を行うショウとトッドだったが、その整備場へドレイクの妻ルーザ・ルフトと『ク』の国王、ビジョット・ハットが姿を現す。
ダンバインの整備を眺めながら行われるのは牧歌的なファンタジー世界には似つかわしくない、機械の生み出す経済効果と侵略戦争後の世界の切り分けを匂わせるクサい会話だ。
オイルに塗れて整備を行うショウと、そのショウ達をチェスの駒のように見下ろし汗もかかずに大金を動かそうとする貴族達の対比が印象的だ。ここは気に入らない。ショウの直感がそう告げる。
ショウはミ・フェラリオのトローを味方に引き込みリムルとの夜会の約束にこぎ着ける。
このトローという妖精、飲んだくれでおっさんのように腹が出ている。明らかに異質だ。
男性型のフェラリオは前話のツオーとこのトローしか出てないのでサンプル数が少なく判断に困るのだが、制作チームは男妖精になにか恨みでもあるのだろうか?
夜会では二ー・ギブンの安否をネタにショウはバイストン・ウェルのあり方などをそれとなくリムルから聞き出そうとする。戦争のためにショウ達は召喚された訳だがやはりそれはこの世界の自然な状態ではなさそうだ。
「私を、二ー・ギブンの所に連れて行って下さらない?」
何となくドレイクやショット達が気に入らなくなってきたショウに、ニー・ギブンの反ドレイク勢に力を貸すよう勧め、またそのニーの所に連れて行って欲しいと懇願するリムル。あの変な髪型のどこがいいんだよ?
だがそこにトローを酒で買収し、ショウとリムルの夜会に殴り込んできたバーン・バニングスにより話は中断されてしまった。
バーンは騎士団長でもあるが、権力拡大のためリムルを娶ってドレイクの後継者となる事を考えていたため聖戦士といえど姫様をお手付きされる訳にはいかないのだ。
さらに別の日、発見されたロムン・ギブンの隠し機械工場へ派兵を行う事となったドレイク勢とバーン。これによってオーラマシンの製造の現場でも抑えられれば反逆のれっきとした証拠の出来上がりという訳だ。
これへバーン自身の騎兵に加えてオーラマシンと小型浮遊戦艦を引き連れ大捕物の様相である。
これを意外なほどの近くに潜伏していた二ー、キーン、マーベルは本隊が抜けて手薄になったとみたラース・ワウへ攻撃を仕掛ける事になった。ギブン家に逆賊の汚名を着せられる前にドレイクを討つ手筈だ。
悪手ではあるが、家族を殺されたニーには義憤があるし、泥仕合に持ち込んだりしてアの国の司法機関が出てくればそこでドレイク陣営の不穏な軍備拡張を見逃しはしないだろう。
これを迎え撃つのは人間の女戦士ガラリアの率いる飛行円盤機械『ドロ』編隊、整備中のドラムロとダンバイン。
空中戦が始まるやいなや、ショウは整備不良を装いラース・ワウ城のリムルの部屋付近へ機体を落下。ドサクサに紛れてリムルを連れ脱出し、ニー達反ドレイク勢へ引き合せる算段だ。
しかしうまく連れ出せはしたものの味方を引き離せず、リムルを取り戻すために攻撃を加えてきたドラムロと揉み合いになりその拍子にショウはダンバインの手からリムルを森に落としてしまうのだった。
不時着したショウは、撃墜されたマーベルと合流し訳を話してリムルの捜索を協力して行う事となった。
第四話 リムルの苦難
マーベルのダーナ・オシーを戦艦『ゼラーナ』の元へ届けて二ー・ギブン達反ドレイク勢に合流するショウ。
一方森に落ちてしまったリムルは無事だったものの吸血獣ボンレスの森へ落ちてしまい、脱出のために奔走していた。
「マーベル、あんたアメリカ人だろ?日本語上手いんだな。トッドもトカマクもそうだったけど──」
「違うのよショウ 私は英語を喋っている。バイストン・ウェルにはテレパシーのようなものがあって、会話しているように思えるのよ」
ダンバインでは万能漫画言語で喋っているのではなく、ちゃんと設定があるようだ。魂の世界の面が強いので、考えている事が思念として伝わり、脳が言語的な穴埋めをしているのだろう。
またドレイクは娘であるリムルを過保護にしているが、虫除け、水を得る方法、拠点作成などなかなか侮れないサバイバルスキルを見せてくれる。
ラース・ワウで「リムルは虚弱なので心配だ」などとのたまっているドレイクの娘評がウソのようだ。
いつでも城を捨ててニー達と野営生活できるように知識を集めていたのだろう。
夜になって、ラース・ワウからはバーンとガラリア、ゼラーナからはダンバインのショウと二ー達がリムルの捜索のために森へと分けいる。
後にショウの相棒となるミ・フェラリオ『チャム・ファウ』が生体オーラの光を感知し、リムルの元へ向かうも折悪しくバーン達もリムルのいる地点へ辿り着いてきてしまっていた。
空中から捜索するダンバインの影を認めたバーンは自らが駆るオーラマシン、ドラムロで仕掛け、また地上でもドレイク兵とニー達の捜索隊がかち合ってしまい、剣での打ち合いが始まってしまった。
この打ち合いの中ニーの元へ駆け寄るリムル。この脱出行の目的であったオーラ増幅装置の設計図だけでも渡そうというのだ。
オーラマシンの製造法を金のために他国へ売り渡そうと肝心のパイロットである地上人が召喚できなくばバイストン・ウェルのどの国でも鉄クズを作っているに過ぎない。しかし増幅機があればバイストンウェル人でもオーラマシンを操作できる。ラース・ワウの軍事機密を外に流していたのは他ならぬドレイクの娘だったのだ。
リムルを確保するために極端な低空飛行をしていたガラリアの飛行機械がニーへ駆け寄るリムルの足場の崖に接触し崩してしまい、リムルは宙に投げ出されるが
ここでバーンがドラムロで飛行しながら落下するリムルを柔らかく受け止めるという神業を見せる。おいおいロボットアニメの名シーンかよ?ロボットアニメだったわ。
リムルは連れ戻され、増幅機の設計図も崖から落ち川に流されてしまい、何も得る事が出来なかったゼラーナ勢。
実の娘が父親のやろうとする事をそんなにも激しく止めようとするなどなぜなのか?疑問に思うショウだが、
世界は誰か支配者のものではなくその世界に生きるみんなのものであり、その調和を守るためにゼラーナ勢は戦っているのだという事を魂で理解する。
「オーラの力は鍛えてゆける。バイストン・ウェルでは、ショウは『聖戦士』になれるのよ」
ラース・ワウでの聖戦士という呼称はドレイク達がショウやトッドをその気にさせるための煽てに過ぎなかったが、世界のために『本当の聖戦士』になる事をショウは心に誓うのだった。
第五話 キーン危うし
リムルをドレイク側に連れ戻されてしまったショウ達ゼラーナ勢はロムン・ギブンからの補給を受けるため、やむなくギブン家が持つ隠れ家のひとつ月の森へ向かっていた。
戦艦ゼラーナの艦長でもあるニーはショウにダンバインの整備を念入りに申し付けるが、まだ少しドレイク勢のスパイとして潜り込んできたという事を疑っているようだ。ブリッジに入れれば重要な会話も聞かれてしまう。
だがキーンとマーベルはショウがリムルを連れ出しゼラーナ勢と引き合わせようとしたり、バイストン・ウェルの均衡のための戦いを理解しようとする姿勢を評価しており、男性陣と女性陣で意見が割れてしまう。
さらには二言目にはリムルの身を案じる事ばかり話すニーにキーンが感情的になってしまい泣きながらナウシカのパクリマシン小型飛行機械で珊瑚の森へ飛び出していってしまった。森は巨怪鳥ギャラウーの狩場だ。
飛び出すやいなや怪鳥に襲撃されるキーンを助けるためショウはウィングキャリバー・フォウを出撃させ初めて操作するにも関わらず怪鳥ギャラウーを手玉に取ってキーンを助けるのだった。
怪鳥に跳ね飛ばされ地面に全身を強かに打ち付けたキーンをやむなく近くの集落へ運び医者に看せるが、そこに追っ手であるバーン達が追いついてきた。
キーンを助けるためにゼラーナの機銃を使ったのを敵の斥候に見つかっていたのだ。
運良く立ち込めた霧も甲斐なくガラリアの飛行機械に見つかり、トッドのドラムロと一戦交えるダンバイン。これを首の皮一枚でかわし、怪我をしたキーンをやむを得ず山奥の集落の医者に預け、ゼラーナは月の森への航路を続けるのだった。
この話でキーンが使った小型飛行機械といえば、1話2話辺りでニーが使用しトカマクダンバインを落としたり、ドラムロに大ダメージを与え敗走に追い込んだりしたとんでもない威力の銃と併用されたのが印象的だが、あの銃は一体何なんだろうか?
威力のわりに反動が見受けられなかったので成形炸薬弾を撃ち出す無反動砲なのかも?とも思うが、多分ニーがロムン・ギブンに
『親父ィ!今度オーラマシンと生身でやり合うんだ!ちょっくら使える武器を用立ててくんね?』とソリッド・スネークみたいな事を言ってしまったがために
ロムンが一発でオーラマシンをおシャカにできる頭のおかしい威力の武器を準備してしまったのだ。ショウが合流した辺りからその銃がほぼ出てこなくなる所を見るとその威力と、原チャでスナイパーライフルを運用するに等しい使用法にニーはよっぽど肝が冷えたのだろう。
・簡単な用語解説
バイストン・ウェル
「海と陸の間にあり、輪廻する魂の休息と修練の地」となっている、あの世とこの世の境目のような世界。地上 ── 我々の住む世界 ── に産まれる直前の魂が存在する所であるが、リムルやドレイクなどが生まれる前の魂なのではなく彼女らは異世界を構成する人間種の一つである。
現代の作品だと死後の世界をモチーフにした作品を作るとなるとキリスト教の死後の世界や仏教の死生観を気軽にベースにする事がほとんどだと思うが、完全オリジナルの異世界を作ってしまうのがこの時代のチャレンジングスピリッツを表していて面白い。
地上人(ちじょうびと)/聖戦士
聖戦士は厳密にはドレイク陣営の用語で、地上人とは同じ意味。
おだてて誉めそやしてオーラマシンで戦争をしてもらう為の言葉遊びだったが、後にバイストンウェルの正義のために戦う人という意味でショウ達は自称していった。
ちなみにこのアニメのタイトル表記は『聖戦士 Aura Buttler ダンバイン』と描かれているが「せいせんしダンバイン」という読み方でいいそうだ。
|オーラ力〈オーラちから〉
一番引っかかるポイント。この時代は魔法や生体エネルギーをソースとしたバトル展開というのが浸透していなかったため制作チームが苦心して編みだしたという不思議パワーの名称。
現代にこのアニメが作られたなら「魔法力」とかでいいかもしれないが、地上から連れてこられたショウ達が急に魔法を使えたらおかしいということや、生命エネルギーを元とする何か拘りが当時の制作話し合いであったのかもしれない。
いずれにせよこの表現に違和感を覚えるのは我々の中でドラゴンボールの「気」が秀逸すぎるだけで、昔のアニメはこういった用語のオリジナリティーの血道を上げていたのだ。