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一歩先を見て、心は一歩下げる

今日の言葉

菜根譚より引用

前段44) 一歩高く、一歩退く
身を立てるには、世人よりも常に一段高尚な処にいなければ、あたかも塵の中で衣を払い泥水の中で足を洗うようなもので、いつの間にか俗化されてしまうから、どうしてこの塵俗の世界を超越することができようか、決してできるものではない。また、世渡りするには、世人よりも常に一歩後へ退いて、謙譲の徳をもっていないと、あたかも虫が燭火に飛び込んで焼け死に、羊が垣に角をひっかけて進退きわまるようなもので、それではどうしてこの世を安楽に送ることができようか、決してできるものではない。

【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】

一歩先を見て、心は一歩下げる

何かを成し遂げるには、常に人より一歩先のことを意識しておくことです。

一歩先を見ているからこそ、先回りして物事の準備ができるのです。

しかし、成功して有頂天になると、先を見据えることを忘れて方向性を見失い、すぐに失敗してしまいます。

そのため、視点は人より一歩先を見ていても、心は常に謙虚に一歩下がって人と接することが大切です。

おそらく、本質的には心を謙虚に一歩下げておくことで、人より一歩先が見られるようになるのでしょう。

逆に、謙虚さを失えば、一歩先も見えなくなり、失敗への道を辿ることになるのだと思います。

この真理は今も昔も変らないと思う。

菜根譚前段「 一歩高く、一歩退く」を読んで、そう感じました。

オススメの本

※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。


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