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自分の為に先に譲る
今日の言葉
菜根譚より引用
前段35) 譲る心がけ
人の心は実に軽薄で変り易く、世渡りの道は山道のようにけわしいものである。それで、極めて困難な世渡りの道をうまく渡るにはどうすればよいか。それは謙譲の徳を守っていくことである。たとえば、容易に通れない難所に出会った場合には、まず自分から一歩退いて人を先に行かせるようにしなければならないし、また容易に通れる処であっても、十のうち三分だけは、人に譲る工夫をしなければいけない。 そのように、一歩を退き三分を譲るということが世渡りの秘談というものである。
自分の為に先に譲る
私が日々意識して実践していることの一つに「自分から先に譲る」があります。
狭い道で人や車とすれ違うとき、「どうぞ」と先に道を譲ります。
レストランのドリンクバーやレジで他の人と動線が重なったときも、「お先にどうぞ」と譲ります。
先に譲るのは親切心からでも、相手のためでもありません。自分のために先に譲るのです。
この「自分から先に譲る」を実践して気づいたことは、生活面でも仕事面でも人との感情的な衝突が減ることです。
さらに、譲った後はほとんどの場合、相手から「ありがとうございます」とお礼の言葉をいただけます。
反対に、我先に「自分が優先」と思えば思うほど、人との感情的な衝突が増え「ありがとう」と言われないどころか、口論になったり嫌われる結果になりかねません。
「自分から先に譲る」を実践する際に大切なのは「自分のために譲る」という心構えです。
相手のために譲ると、つい相手からの感謝を期待してしまいがちです。
しかし、自分のために譲っているにもかかわらず、結果として相手から「ありがとうございます」と言われることに、心が自然と喜ぶのです。
菜根譚前段「譲る心がけ」を読んで、そう感じました。
オススメの本
※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。