中学生時代 初体験の話
人生と社会の縮図を叩き込んでいく中学生時代。
当時体験した私の初体験の話である。
え? 中学生だとセンシティブ?
ご安心ください。
「コミックマーケット初体験」のお話でございますので。
私がコミックマーケットを訪れたのは中学生の夏。
高校受験も控え、勉強に熱が入りながらも、やはりどこかで発散は必要である。
当時オタクな幼馴染女子と同じ塾に通っており、休憩時間でも漫画やアニメの話で花がさいていた。
そこでふと幼馴染から(悪魔の)誘いを受ける。
「ねぇ、コミックマーケット行ってみない?」
今でも私は、ここが人生のターニングポイントであったのではないかと感じている。
当時の私は同人誌や二次創作という言葉も知らず、絵がうまい人たちがイラストや本などを売っている場所という認識しかなかった。
大人になった今では、下調べという至極当然のことが行えるようになったのだが、中学生など興味があればなんでも飛び込んでしまうもの。
二つ返事で 「いくいくー!」 と返事をしてしまうのだった。
コミックマーケット当日、幼馴染の母上様に車で会場まで連れて行ってもらい、無事会場入り口へ到着。
田畑が広がる地から出てきた田舎の民にとって、その会場は大変大きく見えたことだろう。
入場するだけでもかなりの行列で圧倒されるも、なんとか入場することができた。
会場内ではたくさんの長机に薄い本の山が積まれており、
「これが同人誌っていって、こうやって買うのよー」と幼馴染から教育を施されていく。
その後自由行動となり、会場を見て回っていたが
すごく好きなテイストのイラストを置いてあるブースがあり、
よし、初めてだし買ってみるかと長机の向かいにいる女性に話しかける。
「この本くださーい!」
すると、店員はすこし戸惑った表情でこう話しかけてきた。
「えーっと、、、ヤオイってわかる?」
初めて来たわたしには当然意味は分からないが、せっかく話しかけた手前、戦利品無しというわけにはいかないだろう。
「もちろんわかりますよ! ヤオイ大好きです!」
と私は回答し、まあそれならと長机の女性も納得し販売してくれたのだった。
こころなしか、その女性もニコニコしていた気がする。
今考えてみれば、ここで腐り神様との盟約が結ばれてしまったのだろう。
この日を境に、BLアンソロジー本、COMIC BOX ジュニア、BLオリジナル小説などに手を出していき、
30代になった現在では amazon kindle の購入履歴を見せてと言われたら、その場で自決を考えるほどのカオスを抱えるのであった。
購入したやおい(BL)本は、購入後会場の端に移動し、いざOPEN。
全てを察した瞬間である。
やおいとは男性同士がまぐわう「素敵な」ジャンルなのだと。
だがしかし、知らなかったとはいえ
やおい大好きとの発言は流石にまずいと思い、次のブースで聞かれたときは
「親が買って来いって言ったので」と答え、次々とR18ヤオイ作品を手に入れていくのであった。
まったくひどい親も居たもんである。
心はウキウキだが、やはりかなりの人がいるため、少し人酔いしフラフラ会場を散策していると、背後にすごい存在感を感じ、焦って振り向いた。
そこにはなんと、セーラー戦士たちがいるではないか。
推定170cm 体重100kgはゆうに超え、酸っぱい汗の香りが漂う巨漢の5人組である。
そこでなんとか抑えていた吐き気が頂点に達し、近くのトイレで盛大に吐きまくる。
中学生にとってはヤオイ本のエロよりも、よっぽどセンシティブな要素だったのだと思う。
なんとか幼馴染と合流するまでには吐き気も収まり、幼馴染の母とも合流し戦利品をもって自宅へ帰宅。
当然買ったものは親に見せられるわけもなく、実家にいない今でも引き出しの奥底に眠っている。
……処分しなければ。
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