相手にやさしくする才能

すごく人にやさしい人を見ると「すごいなあ。こんなに優しくなれてないなあ。」と思っている。今日もそんなことがあった。

会社のメンバーが珍しく朝会に来ない。お世話になっているDaiという会社では、ちょっとした確認どころではなく、各人の状況や日常の話やら、最近気になっている話や日経新聞にこういう記事が載っていたなど、色々と話しているうちに30分を超えて1時間を超えることだってある、特殊な朝会を毎日続けている。毎日だ。

これは、フルリモートワークで働くメンバーが、気をつけないとすぐにでも自分の仕事だけに閉じこもってしまって、孤独な気持ちが生まれたり、会社組織であることを忘れ、業務委託と変わらない結びつきのない会社になることを避けたいという経営陣の強い思いがある。いいことだと思うし、なかなかできないことだと思う。

さて、そんな朝会にひとり、いつも元気に参加しているメンバーがいない。しばらく経過してから、「あれ、〇〇がいない。いないよね。」となって、その異常事態にみんなが気づいた。代表はその状態があまりにも珍しく、これまで面接して内定を出し、そして入社してからこれまでの、彼女の遅刻しなさそうなキャラクターを鑑みて、「これは只事ではないかもしれない!心配だ!」という気持ちを言葉にして、車で45分ほどで到着できるところに住んでいるメンバーから「私が車で行けば、それほど時間かからずに到着するのでいってきますね!」という呼びかけに「お願いします。すぐに行ってほしい。」と依頼し、そのメンバーもすぐに移動を始めた。

入社してそれほど間もなかったこともあってか、緊急連絡先が分からなかったことも大きかったような気がする。それで今日をきっかけに、緊急連絡先を入社してすぐ聞いておかなくちゃってことが認識されたと思う。

結局、今日の朝会はそんなそわそわした空気がメンバーに蔓延したこともあって、短い時間で終わった。「大丈夫かな。寝坊だったら、よくないけど、でもなんかあるくらいだったら寝坊のほうが全然いいな。」とみんな思っていたと思う。

朝会が終わってしばらく経ってから、「連絡がつきました!」という別メンバーからの報告があった。「ただの寝坊でした!」と。ああー、よかったよかった。


さて、今日の本題はここからだ。

無事だったかーとなれば、まだ現地に到着してないし、車で向かった彼女はすぐに引き返してもいい。でも、その子はそこで引き返さずに一言声をかけにいった。

そして、彼女の顔を実際に見に行った。ちゃんと生きているかを、直に見に行きたかったらしい。そして、見て、涙が出ちゃったーと言っていた。やさしい人だな。

そんなことがあったんだねーと、メンバーの無事を確かめて思わず涙を流したやさしいその子と、午後に別件の話をしていたところ、遅刻して心配をかけた子がやってきて「本当にご迷惑をおかけしました」と話しかけてきた(あ、ここまでもこれからのやりとりも全てオンライン上のバーチャルオフィス上でのやりとりです)。

登場人物: やさしい子:や  寝坊の子:ね  ぼく:ぼ 

や「いやー思わず涙出たよ。うれしくて。」
ね「ほんっとにご心配かけてすみませんでした。
  でね、あのあと、(や)さん、しばらくして戻ってきてくれたんですよ」
ぼ「えー、なんか用があったん?」
ね「近くのお店でね、パンを買って持ってきてくれたんですよ!」
ぼ「あ!そうか、朝ごはん食べてないって思って、か!」
ね「そうなんですよ!なんてやさしいんだろうって!」
ぼ「一度去ったと思ったら、神がパンをもって再び現れたんやね」
や「いやいや、わたしそこのパン屋知っててさ。自分の分も買いたかったから。」
ぼ「いやー、それはーーー・・・。それはほんまに優しいな。」

寝坊の子が言わなかったら、神がパンを与えたもうた事実は明らかにならなかったわけですが、そこも含めてやさしいし、粋やなあと思いました。ほんま素敵やん。

こういう優しさ、相手の状況を察して、すこし配慮してあげられる洞察力に触れると、すごいなあ、こんなん嬉しいよなあ、と思います。僕自身も、ある部分では優しいところはあるとしても、こういう気遣い・気配りができる人間だとは思えないので、羨ましいことだし、こういう人が近くにいてくれるってのは、組織としては本当にありがたいことだなあと思ったのでした。

こんなんアニメやん。あまりにも優しい世界やん。素敵やん。

急に読者の方からサポートもらえてマジで感動しました。競馬で買った時とか、人にやさしくしたいときやされたいとき、自暴自棄な時とか、ときどきサポートください。古民家の企画費用にするか、ぼくがノートで応援する人に支援するようにします。