めっちゃ立派だよ 若者たち
寺子屋トガリという、子ども起業塾をトライアルで始めて3ヶ月が経過し、篠山市の子どもたちらしく黒枝豆を売ってみたりもした。でも彼らがやってみたいと思っていて、しかも彼らの強みが活きるようなことが、彼らと共にようやく一歩踏み出せる可能性がある事業が始まりそう。
最初の写真で示している通り「お茶」である。起業塾のトライアルに参加をしてくれているメンバーの子たちが興味があったり、持っているスキルを活かす方向で考えていくと、「外国人観光客の人たちに篠山をもっと楽しんでもらうためにできることを考えて実行する」ということが浮かび上がった。
高校生の優一くんが「茶道」を得意としており、それに加えて中学生の二人も彼も「英語」をもっと話していきたいという気持ちがあった。
そこでまずは「茶道や日本の伝統的な遊びを楽しんでもらう事業」を始めてみようってことで、今回はまず篠山市にALTつまり英語の先生として派遣されてきている外国人の人たちに協力を仰ぎ、体験をしにきてもらおうということで声をかけて、5人の人たちがやってきてくれた。
会場は篠山市の浄土宗のお寺「誓願寺」で、住職もエネルギッシュで柔軟なお若い方であり、子供たちの未来のためにできることなんか協力しない理由がないというスタンスで快く会場をお貸しくださった。嬉しい限りである。
誓願寺は篠山本町の大通りに面した、非常に立地の良いお寺である。
だからこそ、これからこの場所でもしも関わらせてもらえるとすると、観光にきた外国人の人たちに立ち寄ってもらうには絶好の場所であると言える。
英語できちんとチラシをつくり、お迎えの準備は万端。
誓願寺に来ていただいてからは、セレモニーの会場への案内や始まりの挨拶、そしてお茶に関する説明などを役割を変えてそれぞれ担当していく。
自分たちが真剣にやれば得るものはあると感じている、とても理解力と意識の高い子どもたちなので、完璧ではないといっても立派に準備をしてきた。
カンペを使うところもあるし、自分なりに一生懸命に伝わるように英語を話してみようとトライしていたところもあった。ALTの先生たちにも趣旨を伝えることができて、彼らがこれから新しいビジネスをつくってみようとトライをしていること、そしてそれがまさに今回はじめてのチャレンジであるということを楽しんでくれた。みんな真剣な想いには応えてくれる。
お茶の動作についての説明にも一生懸命に耳を傾けて、子どもたちの説明を真剣に聞いて学ぼうとしてくれた。子どもたちも、参加費をいただいている以上は真剣にやらないとということでプロ意識を持って取り組んでくれた。
新しい体験は大きな学びになる。僕らが思うより、彼らが体験した今日の時間はきっと彼らに大きな機会となると信じている。
ベテランの茶道経験者からするとどうだか知らないけど、高校生の優一くんの所作は立派なものだった。外国人の先生たちにも立派にお茶を振る舞うことができて、その後の体験の時間にもスムーズに移行することができた。
英語でレクチャーすることは簡単ではないが、言葉よりもアクションを伝えることができるぶん、実はコミュニケーションが取れるという自信をつけやすいのではないかと思った。十分なやりとりができていたと思う。
先生たちもめっちゃ楽しそう。
教育については、いろいろと考えることがあるが、グローバルな視点で考えると「英語がぜんぜんできない」というのは正直かなり絶望的だなと思う。僕はすこしだけできるけど、まだまだこれからもっと学んでいくつもり。
そして、昔はわりと従来通りの教育システムに乗っかっていてもそれなりにやっていける可能性もあったかもしれないが、これからは全然違うと思う。本気で学ぼうと思えば、もういくらでも吸収力のあるうちに学びまくることができる世の中で、本当に学ぶ機会を提供しないと置いてけぼりだと思う。
いくらかネットが不十分な環境があるとしても、世界中で学べる環境は整ってきていて、田舎と都会の情報リテラシーが違うというけど、環境の問題はインフラの問題ではなく「親の意識の問題」でしかないと言える。
日本のどこにいても、オンラインでいくらかの学びは得られるし、本気で学ぼうと思えば、いくらでもつないであげることはできるし、大人も真剣な子どもに対して全力で支援してくれる人たちがめちゃんこ多いのだ。でも。
大人がその環境を遮断したり、その可能性を信じなかったり、夢みたいなことを言ってないで(とりあえず我慢して)勉強しろ、って言ったり。そんな風にして、日々のコミュニケーションの中で親が変化を信じられない。
若者たちは機会を与えれば、本当に立派にやれる。こういう機会をひとつでも増やしていって、信じてもらえる環境をつくっていかなくちゃと思った。