【 #GOTY 】The Game Awardsを10倍楽しめる!「受賞予想」のススメ
この記事では、僕が毎年恒例でやっている「The Game Awardsの受賞予想」を紹介し、その魅力を伝えたいと思います。
本記事を書いているのは2024年11月中旬ですが、毎年この時期になると、「Game of the Year(GOTY)にどの作品が選ばれるのか」が、ゲーマーの間やゲームメディアの記事の中などで盛んに議論されるようになります。
GOTYを表彰する式典は大きなものから小さなものまで無数にあるのですが、その中でもっとも権威があり「ビデオゲーム界のアカデミー賞」といえるのが、The Game Awardsです。
僕は毎年、GOTYを含む各部門を対象に、それぞれの部門で「どの作品がその部門の部門賞を取るか」を受賞予想しています。そしてTGAが終わった後は「何部門的中したか」を答え合わせします。
本記事ではまず、僕が毎年やっている受賞予想がどのようなものなのかをご紹介します。そのあと、「受賞予想をやっているとこんなに良いことがあるよ」というメリットをいくつかご紹介します。
The Game Awardsの「受賞予想」とは
僕が受賞予想を始めたきっかけ
僕が受賞予想をしようと思ったのは、アカデミー賞の受賞予想をライフワークとする「Ms. メラニー」氏の存在を知ってからでした。
映画の良し悪しだけではなく、過去のデータからの傾向分析、「前哨戦」(アカデミー賞授賞式までに開催される各映画賞)の受賞作、「この部門をこの作品が取るなら、当然こっちの部門はこの作品になる」といった独自のメソッド。それらから繰り出される、鮮やかな予想の数々…。
ラジオ番組「アフター6ジャンクション」(およびその前身である「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」)でMs.メラニー氏のことを初めて知った時には、「なんて面白いんだ!僕もやってみたい!」と思いました。
そこで僕は、自分の得意分野であるビデオゲームにおいてMs.メラニー氏と同じことをすることにして、The Game Awardsを対象とする受賞予想を始めたのでした。
受賞予想のやりかた
The Game Awardsに関して、ネットニュース等で話題になるのはGOTYだけの場合が多いですが、他にも多くの(例年30部門程度)の部門別賞があります。
僕は、esports関連やストリーマー関連の部門を除いた24〜25部門程度を、自分自身の受賞予想の対象としています。
それぞれの部門には5〜6作品程度の作品がノミネートされているので、受賞予想はでは、その中から1作品を選ぶことになります。予想は、メタスコアに代表される世間の評価を参考に決めることが多く、自分自身がプレイした時の感想はあまり考慮しないようにしています。(そもそも、ノミネート作品全作品をプレイすることは不可能ですし)
僕の場合、このようにして予想した結果を式典数日前にnote記事として発表します。そして、すべての受賞作が確定したのちに、予想結果を総括する記事を出します。
このような企画を、僕は2020年以降毎年行っています。
受賞予想をすることのメリット
このように受賞予想をしていると、この「遊び」には様々なメリットがあることを実感するようになりました。
1. 中継を楽しみながら視聴できる
式典は日本時間の金曜午前中(現地時間の木曜夜)に開催されることが多いのですが、その模様はYouTubeやTwitchで公式同時中継されます。また、ニコ生やIGN JAPANでは日本語解説付きの中継も行われます。
このような放送をただ視聴するだけでももちろん楽しいのですが、受賞予想をしていれば、より一層楽しむことができます。
部門別の受賞作品が発表されるたびに、「この部門は当たった!」「この部門は外れた」と一喜一憂しながら眺めると、視聴にも熱が入ります(仕事の関係でリアルタイム視聴は叶わないことも多いですが)。
そしてそれ以外にも、華やかなショーの雰囲気を楽しんだり、今まで自分が知らなかったゲームの情報をトレイラー公開を通じて知ったり、日本の作品や日本人クリエーターが世界的に高く評価されている様子を見て嬉しく思ったり、式典を通じて様々な要素を楽しむことができます。
このように、式典をただなんとなく眺める以上の密度で視聴して楽しむことができること、それが第一のメリットです。
2. ノミネート作品のことを知ることができる
受賞予想に取り組むということは、当然、ノミネート作品について色々と調べることになります。その過程で、自分が今まで知らなかった名作たちに出会うことができることが第2のメリットです。
Best Game Directionといった主要部門にノミネートされる作品であれば、プレイしたことはなくても、さすがに「全く知らなかった」ということはありませんが、主にインディー作品がノミネートされる部門では、ノミネートされて初めてその作品を認識する、ということがしばしばあります。
たとえば、昨年のTGA 2023における「Games for Impact(社会的メッセージをもった作品を表彰する部門)」では、僕がノミネート時点で知っていた作品は『A Space for the Unbound』だけでした。
受賞予想をする際は、知らなかった作品のことを色々と調べます。また、Xbox Game Passなどのサブスクに収録されている作品であれば、少しプレイすることもあります。
このようにすることで、自分の中のゲーム知識が深まり、視点も広がってゆくことを実感できます。
3. 「番狂わせ」を楽しめる
受賞予想をする際には、過去にその部門ではどんな作品が受賞したのかを調べることになります。そうすることで、「この部門ではこういう作品が受賞しやすい」といった「傾向」が自分の中に形づくられてゆきます。
しかし、実際には時として過去の傾向とは大きく外れた作品が受賞することもあります。そのような「番狂わせ」が起こった時、なにも知識がない場合と比べるとより「驚ける」ので、発表をさらに楽しむことができます。
例えば、GOTYは、その年に大ヒットしたAAAタイトルが受賞することがセオリーです。2020年の『The Last of Us Part II』や2022年の『Eldenring』が代表例です。
そのため、2021年に『It Takes Two』がGOTYを受賞したことには、当時本当に驚きました(そして、予想を外しました)。AAAタイトルが不作の年だったとはいえ『Deathloop』や『バイオハザード ヴィレッジ』を抑えてインディー作品が受賞をしたのは番狂わせだったと言えるでしょう。
他にも、『Best Roleplaying』部門は、例年日本産タイトルが強い部門ですが、2023年は『Baldur's Gate 3』が受賞し、例年とは異なる傾向でした。(ただし、この予想はさすがに外しませんでした。当時、本作の評価と勢いは高まるばかりで『FF16』や『Starfield』を凌ぐことは分かっていたからです)
このような時に、受賞傾向に対する知識があれば、「お、今年は例年と違うな」と思うことができ、より一層楽しむことができます。これが、僕が考える第3のメリットです。
おわりに
この記事では、僕が2020年以降やっている「The Game Awardsの受賞予想」という遊びをおススメし、そのメリットをご紹介しました。
来る11月21日には、The Game Awardsに並ぶ権威を持つ、Golden Joystick Awardsの式典が開催されます。
これはThe Game Awardsにとっては「前哨戦」とも言うべき式典で、ここでの受賞作品の傾向は、The Game Awardsの予想をする上で大いに参考になります。
The Game Awardsの今年(2024年)の式典は、12月12日(日本時間13日(金)の午前中)に行われます。今年も、受賞予想を済ませたうえで式典を楽しみたいと思います。
(了)
2024.11.18 Itaru Otomaru
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