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【#FF7R 序盤感想】 FF7リバースに感じた、「世界の不自然さ」を解消させる工夫について

本記事を執筆している2025年2月現在、『FINAL FANTASY VII REBIRTH(以下FF7リバース)』PC版を楽しんでいます!

スペックの良いゲーミングノートPC(RTX 4080 Laptop)を使っているおかげで、PS5 Proと同等以上の美しさと滑らかさでのプレイを堪能しています。

現在の進捗はチャプター4の途中、プレイ時間は約17時間ということで、まだまだ序盤の段階ではありますが、この段階で僕が感じたことをまとめておこうと思います。

それは「ともすれば不自然に見えかねない本作の世界のデザインに対して、設定を工夫することでその不自然を解消している」があるということです。僕はわりと作品内の設定の整合性やリアリティラインの一貫性を気にするタイプなのですが、そんな僕でも、本作の世界設定を抵抗なく受け入れることができました。以下、そのことを詳しく書きます。

原作のFF7、あるいはFF8・FF15などでもそうなのですが、これらのように、我々の現実世界と比較的文明レベルが近い世界を舞台とした作品において、僕には決まって感じる「ある不満」がありました。

それは、「都市の外に何もなさすぎ問題」です。

現実世界のことを考えてみると、都市部と自然が明確な境界ではっきりと分かれていることはあり得ず、都市部ー郊外ー山村部というようになだらかなグラデーションを描くものだと思います。

でも、ビデオゲームでは、システム上フィールドと街が別々に扱われているため、例えばFF7の原作では、ビル群がひしめくミッドカルを一歩出ると、いきなり何もない平原が広がる、という不自然な光景が広がることになります。

近年のFF15においても、主人公が暮らす都市「インソムニア」は現実の東京そっくりの大都市なのに、そこを一歩出ると、アメリカの田舎のような荒野が広がっており、とても不自然に感じました。(このことは過去記事でも言及したことがあります)

中世ヨーロッパをイメージした世界観の作品であれば、街とフィールドがはっきり分かれているのは、当時の城塞都市をビデオゲームの表現に落とし込んだものだと理解できます。しかし、現代に近い世界を舞台にした作品だと、上記のような不自然が露呈することになります。

では、今回の『FF7 リバース』ではどうだったでしょうか?

一見すると、FF7の原作にも存在した、ここまでで指摘したような不自然さを、本作も引き継いでいるように見えます。というのも、ミッドガルという大都市を一歩出ると、近隣の街であるカームのほかは、一面の大自然(グラスランド)が広がっているのですから。

しかし、本作では、セリフなどでちょっとした世界設定の説明を入れることによって、この不自然さをかなり解消していると思いました。

作中では、この地域にはかつてジュノン共和国という独立国があったのですが、神羅カンパニーとの戦争の末に滅んでしまった、という歴史が語られていました。そして、ジュノン共和国統治下ではバス網をはじめとするインフラがあったが、神羅カンパニーによる施政下では、神羅カンパニーにとって必要な部分しか整備されていないという設定の説明もありました。

僕はこの説明を聞いて、「なんて絶妙にリアルな設定なんだ!」と思いました。ミッドガルのすぐ近隣が急に大自然になっていることに、説得力を持たせていると思いました。

つまり、現在のグラスランドの姿は、神羅カンパニーとジュノン共和国との戦争の果てに荒廃しきった姿、ということなのです。たしかに、ミッドガルへ続く道には高架のハイウェイらしきものがあるのですが、あちこちが破壊されており、戦争の後を感じさせます。

まあ、それでも、神羅カンパニーにとっての重要拠点であるミッドガルとジュノンを結ぶハイウェイくらいはあってもよいような気もします。その点では不自然と言えば不自然ですが、おそらく主人公らが到達できないところにあるか、もしくは、普段の行き来は空路を使っているのでしょう。

そして、そのような目でグラスランドエリアやジュノンエリアを眺めていると、「神羅カンパニーはいろいろ威勢のいいこと言うけど、ミッドカル近郊すら満足に再建できないところをみると、財政事情は結構厳しいのかな…」といった想像が膨らんできます。

このように、『FF7 リバース』のオープンワールドは、一見すると、「現代文明が発達した世界にしては何もなさすぎる」という、従来からの問題を引きずっているように見えるのですが、ちょっとした設定の工夫によって、その不自然さをかなり緩和していると思いました。

この記事では、僕が『FF7 リバース』を15時間程度プレイした序盤の感想として、原作やFF過去作に存在した「ワールドデザインの不自然さ」を設定の工夫によって解消している、という話を書きました。

なお、本記事では特に言及しませんでしたが、本作はめちゃめちゃ楽しいです!最初は複雑すぎるように思えた戦闘システムも手に馴染むと自分なりに工夫できるようになってきますし、あちこちに散りばめられたアクティビティは「あともう少し」といった具合にプレイのモチベーションを維持してくれます。

1日に費やせるゲーム時間がそんなに多いわけではない僕ですので、クリアまでにはまだまだかかると思いますが、引き続き楽しみたいと思います。

(了)

2025.2.11
Itaru Otomaru




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