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iPad Pro用Magic Keyboard使用感

ワークショップ・デザインとは直接の関係はないですが、どうしても書いておきたくなったので、手元に届いたiPad Pro用Magic Keyboardの使用感を書きますね。…と言うのも、実は私、個人用のコンピュータというものを持っておらず(会社ではノートPCを使っています)、ワークショップ・デザインやらオンラインのファシリテーションは基本iPadでやっているもので、私にとってはとってもクリティカルなツールなんです。言うなれば仕事道具ですね。(…とこじつけてみました ^_^;)

先に使用感の結論を言うと、Magic Keyboardを装着することでiPad Proは今までにない使い勝手のタブレットでもノート型PCでもないものに変貌します。それを体験するだけでもちょっとした興奮を味わえます。私的には初めてノートパソコンを使った時と同等かそれ以上の感動があります。
Junior sizeのiMacになると評している記事もありますが、タブレットとして使っていたiPadがミニサイズのiMacになってしかもタッチスクリーン対応…と言ってしまうと感動ポイントのイメージ掴めるかもしれません。

一方で気になるところ、せっかくだったらここまでやって欲しいと言うところもあるので、併せて考えてみます。まずはディティールからそして最後に全体感をまとめます。

キーボード

このところのApple製ノート型コンピュータのキーボードの評価は惨憺たるものでしたが、ここにきて設計を変更して打鍵感はかなり改善されたとのことで、最も期待しているのはそこでした。私自身は、初めて使ったのノート型コンピュータはPowerBook100だったのですが、かちゃかちゃ音させながらタイプしていたのを覚えています。打鍵する時に音が出るのがノートを取る時に適さないなと思ったのが、iPadを使うようになったきっかけでした。画面のキーボードを叩いている限りは音は全くしないので。しかしフラットなガラスを叩くだけでは打鍵感がないだけでなく、ミスタイプもしばしば…。慣れてきたのでだいぶ早く打てるようになりましたが、話を聞いたり考えたものを書いたりするスピードに追いつくほどではないので、必要な時は外付けキーボードを使っていました。

Magic Keyboardはフラットで薄く、かちゃかちゃとした打鍵音はおきません。低くカタカタ言う感じはもちろんありますが、耳障りなことはありません。そしてしっかりとタイプしている感じがあるので、思考を妨げずに文章を書き続けることができます。

またキーの中に世界地図のマークがあり、そこから言語を選択することができます。iPadOSの場合キーボードが多言語対応なので、このボタンで切り替えることになります。Caps Lockで日英の切り替えもできので、キーボードの種類を変えたい時に使う感じでしょうか。

あと、このキーボード、暗いところで光るんです!

一方で気になるところも何点かあります。今回私は、英字キーボードにしています。これはコンピュータ使い始めた時から英字キーボードでJIS配列に慣れていないからと言うのが1番の理由なのですが、キーピッチがエイジの方が広く取れると言うのが二つ目の理由です。

で、そのキーピッチですが、狭いなと思うところが何箇所かあります。特に”」”、”\”といった記号ものは打ちにくさを感じるかも。あとリターンキーも小さい。この辺りは慣れなのかもしれませんが。数字と英文字はストレスなく打つことができるキーピッチです。

また、キーは本当に最小限しかないので、例えば音量コントロールとかイジェクトのボタンはついていません。iPadの場合は、イジェクトボタンがあるとキーボードをしまうことができるのですが、それができないので外付けキーボードをiPadに使っていた人にとっては戸惑うかもしれません。

トラックパッド

トラックパッドはクリックに対応をしてるので、文章の好きなところにカーソルを持っていってそこから編集するということがホームポジションがから手を外さないでできてしまいます。画面にタッチすれば良いのかもしれないけれど、文章を長く打っている時は画面に入ってから戻ってくるのは煩わしいので、キーボードから全てできてしまうのは便利です。

ノート型のMacとかのトラックパッドと比べると縦幅が狭いので、その画面で何かを描いたりとかに使うものではありません。あくまでも文章編集用に使うと割り切った方が良いと思います。

クリック、ドラッグ、スワイプができる他、二本指スクロールで画面切り替え、三本指でのアプリ切り替えができるところはMacの使い勝手と一緒。iPadがスリープしてても、トラックパッドをクリックして三本指でスワイプするとFace IDが機能して起動することになります。つまり、Magic Keyboardにつないでいれば画面に全く触らないでもiPad Proの起動はできてしまいます。

トラックパッドでアプリの切り替えマルチタスクの切り替えができるのは本当に便利なのですが、Split Viewにしたり、ドックを表示したりをキーボードからやる方法はまだ見出していません。方法があるのかもしれないし、ないのかもしれない…

ヒンジ

ペアリングとか無しで、iPad Proをペタッと貼る感じで装着するとそのまま使えるし、USBポートが1箇所あるので電源をそこに取れば貼った瞬間から充電もできている状態になります。

装着した時、キーボードからディスプレーまでの距離が2cmほど浮いた状態になりますが、この距離が絶妙です。買う前は画面の高さがちょうど良くなる程度かと思っていたけれど、タイプした状態から画面へのタッチがしやすく、この感覚が今までのノート型パソコンとも感覚が違うと思います。キーを叩きながら、ちょっと指を伸ばせば画面に触れる…そこからホームポジションに戻るのは容易く、画面とキーボードとの間を行ったり来たりしながら、画面に絵を書いたりタイプしたりが交互にできます。これ考えた人天才だと思います。

ペタッと張り付いているだけなのですが、画面はしっかり固定されていて、ブラブラと揺れるようなことはありません。むしろ固いぐらいです。画面の傾きを調整できることになっていますが、角度にしてせいぜい20度ぐらいです。まぁ、それでも顔の正面に画面がくるようにはできますね。

この固さは好みが分かれてくるところでしょう。まず閉じている状態からノートパソコンの感覚で開こうとすると面食らうほど固いです。こじ開けてる感くらいに感じる人はいるかも。しかもキーボードと画面の間は90度以上は開かないので、キーボードを裏返してタブレットにするというKeyboard Folioのような芸当はできません。あくまでもiPadをデスクトップ状に使うためのアタッチメントなのだと考えた方が良いでしょう。

↑これ以上倒れません (T_T)

↑これ以上寝てくれません (T_T)

その他

その他で気付いたところ、気になったところを挙げてみると…

重いです。格納して持ち運ぶことはもちろん出来るけれど、薄型のノートパソコンよりも重くなる。落ち着いた場所に移動してゆっくり書きものをしたいような人はこれを装着して持ち歩くと良いですが、タブレットとして主に使用したい人は普通のfolioで画面にキーボード出して対応した方が良いでしょう。

あと、ここまで作ったのであれば、Apple Pencilを格納する場所があっても良かったかなと思います。タイプしている最中はiPadに貼り付けておけば良いのですが、持ち運ぶ時に磁石でついているだけだと落とすんですよね。

一方で、もう手放せないと思うくらい気に入った点もあります。それは、使い始めてしばらくして気づいたことなのですが、iPad ProをMagic Keyboardに装着した時の音場の広がりがすごいことです。iPad Proは2018年のモデルから端末のスピーカーでのDolby Digital PlusやDolby Atmosの再生に対応しています。対応してるコンテンツ再生すると、上から音が降ってくるかのような音場の拡がり出ますが、その効果がないとしても4スピーカーの本来の力を引き出す位置に「浮かせる」ことができているためなんだなということに気づきます。

この「浮いている」iPad Proのポジショニングですが、zoomとかでワークショップをする時にも真価を発揮してくれます。というのも、私はそれまでzoomというとAirPods Proでノイズキャンセリング入れてiPad Proで参加していたのですが、Magic Keyboardに付けていると自分の映る顔の角度が最適化されるだけでなく、自分の声をよく拾いつつzoomで話している人たちの声もハッキリと聞こえるのでイアホン要らずになりました。気のせいかもしれないですけれど臨場感もイアホン以上なので、ワークショップやる人にはホントお勧めしたいです。

そして…もうひとつ(one more thing...)。iPad貼り付ける裏のところにアップルロゴがついています!と言っても目立つ感じではなく、ロゴマーク状に凹んでいるところがあるってところです。ロゴがさり気ないってのはオシャレかな、と。

一点このキーボードに電源をつなぐ時に要注意事項があります。Magic Keyboardには給電にしか使えないUSB-Cスロットがありますが、ここへの給電を行うには出力が18Wになっていない電源アダプタから繋がないと「充電していません」と出ることになります。

Apple純正のアダプタは出力18Wなので、そこから繋ぐとちゃんと充電してくれますが、一般的なUSB充電器は1ポートあたりが12Wなので、そこからMagic Keyboardに繋ぐとこれが出てきてしまいます。12W出力でも直接iPadに繋ぐと充電できるので、これを知らないと壊れているのかとちょっと焦ることになるかと思います。慌てずUSB充電器の出力を確認してみてください。

あと、当たり前のことですが精密機器です。微妙な事で接触が悪くなり、充電できなくなったり、キーボードのバックライトが付かなくなったり、トラックパッドが動かなかったりします。
ヒンジの後ろに配線が通っていて、そこが断線してしまったり、スマートコネクタ上の埃や汚れで接続が怪しくなったりします。

買ってから半年で調子が悪いなと思って二度Apple Storeのジーニアス・バーに持って行きましたが、一回は交換、一回は触っているうちに何故か直りました。
そういうものなので、あまり持ち歩かないで使ってる状態です。

全体的にみて

3万円からするキーボードなので、タブレット的に使うのが主でキーボードでのタイピングはそれほど多くない人は手を出さない方が良いかと思います。一方でタブレットで文章を書きながら、画面に書き込みすることも同時並行で行いたいクリエーターな人にはお勧めできます。

イメージで言うと、タブレットとキーボードを一緒に一つに折り畳んで運びスタバでしっかり仕事する、ような人向きの製品と言えるでしょうか。逆に言えばそれをノートPCでやる人には不要の製品かもしれません。私のようにiPadしか端末を持たずそれをノートPCとしても使いたい人が買うのが良いように思います。

iPadでタイピングをしたいニーズがあったとしても、このMagic Keyboardはかなり重いのとタブレット的に使いたい時には一旦外さないといけないので、付けっ放しで色々やりたい人にはSmart Keyboard Folioの方が良いと思います。

iPadを普段はスリーブやSmart Folioでタブレットを使うけれど、しっかり文章を打ちたい時に着替えるように付け替えて使い分けることになると思いますが、その時の選択肢として、このMagic Keyboardが良いかはその人の使い方に寄るのだろうと思います。私自身は外出時はSmart Folio、帰宅したらMagic Keyboardにペタッと付け替えて使い始めてます。

思い出したり、追加が出てきたら随時書き足してゆきますね。( ´ ▽ ` )/

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いたる | 外資系人事の独り言
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