周りにいい人が集まる
これは 屋久島で72歳の登山家モーリーさんという方に伺った話です。
そんな中、モーリーさんの周りには人が集まるのです。なぜ彼の周りにはこんなに人が集まるのか、楽しそうなのか疑問に思っていました。話を聞いていくうちに料理をお裾分けしあったり体が痛い時は湿布をくれたり、元気な人がゴミを代わりに外に出してくれたり、お互い【思いやり】をもって生活しているということがわかりました。
登山中、「モーリーさんの周りの方は皆さん感じのいい方ばかりですね」と話すと、彼が『近所付き合いのコツ』を教えてくれました。
【過去の生活をひけらかさない】
【自慢をしない】
【いま現在の環境に合わせる】
彼は言いました。
聞いた話ですが、彼のマンションでは様々な内情がありました。入居者の意見の食い違いから言い争いをしてしまう人。新しい環境に慣れようと無理に人付き合いをして精神的に辛くなってしまう人。ありもしない噂話で盛り上がる人。自分の思い通りにならないので、結局馴染めず、マンションから出て行ってしまったという方も。
どんなに歳を取ろうと人間同士が関わると、必ずこういうことが起こるのだなと思いました。年齢は関係ないんですよね。学校や職場などにも通ずるものがあるのではないでしょうか。
『郷に入っては郷に従え』
こんなことわざがあるように、環境が変わっても、わがままにならず、流れに逆らわずにいる方が気楽に過ごすコツなのかもしれません。
悩んだって仕方がないよね
僕の理想は常に平常心であり、自然体でいられる人に憧れます。
そういう人を見るたびに
モーリーさんはあまり感情の起伏がないといいます。怒ったり、悲しんだり、くよくよしたり、喜んだり、そういう感情が過度に湧き上がってこないというのです。しかし、若い頃はそうではなかったと。
そんな感情に揺さぶられる中で段々とそうならないように出来るようになったそうです。彼は自分自身のことを平常心に戻すことが上手い人だといいます。
では、どの様に【平常心】を取り戻すのか?聞いてみました。
モーリーさんは「悩んだって仕方ない」という言葉から心のスイッチの切り替えを素早くしていたのかもしれない。
僕は旅で人生勉強をするなか、【平常心】の大切さを学びました。それは心がジェットコースターのように上がったり、下がったりするたびに動揺するのではなく、どんなに嬉しいことがあっても欲張らず、辛いことがあっても落ち込みすぎず、嫌なことがあっても怒らないということです。
どんなことがあっても事実を冷静にみることができることが、平常心で生きていく上で必要なスキルなのかなと思います。ネガティブよりもポジティブ。ポジティブよりも平常心が心と体にとっていいことだと僕は思っています。彼はそのことをよく分かっているように感じます。今まで繰り返し、繰り返し意識してきたのでしょう。それが自然に出来るようになるまで。
彼は「仕方がない」という言葉以外にも
嫌なことがあると部屋の一つしかない大きな窓から、
空を見上げて嫌なことを忘れるといいます。
"今"という瞬間に意識を向けて集中するということを自然にやっているようです。どんな時も自然体で平常心でいられる彼のようになりたいと思いました。
事実のまま伝える
モーリーさんは僕がとても尊敬している方のひとり。どんな方かというとまず精神面が素晴らしい。
『悩んだって仕方がないじゃない』それが口癖で、年齢も相重なって、とても説得力があります。
と聞いてみました。
モーリーさんも、僕のように今まで納得のいかないことはたくさんあったといいます。今でもそのことをふと思い出すことがあるそう。そういう思い出は、彼の様に50年も60年経っても頭に深く根付いて残っているのです。身近な職場や学校、友達同士でもそういうことはありますよね。
さて、ここで質問です。
モーリーさんの上司のように『正しいことは正しいと言える人』か『間違ったことも自分の都合で押し通す人』もし、あなたならどちらの人になりたいですか?
それが積み重なっていけばいくほど、自らの首を絞め続けることになるということを覚えておいてください。
『事実を装飾なく伝える』ということが心の健康には大切です。屋久島の彼のように、その一言で救われる人もいるのです。
「あなたは間違えてないよ。私はわかってるよ」と一言声をかけてくれる人。そういう人になりたいと誓った屋久島の出会いでした。
こんな出来事を日本一周書籍にまとめています。