箱根と私と温泉まんじゅう
Vol.057
東京に滞在の際、よく箱根に滞在する。
気づけば箱根に通うのも、もう38年も経過している。
下手すると、立派な箱根民になれるのではないかと思うほど、いろいろ歴史も体験している年齢となった。
箱根と私の関係
簡単に言えば、父が購入したリゾートマンションがまだあるというだけのことだ。
我が家は父と母が離婚し、私と弟は父に引き取られる形となった。
仕事が多忙期だったろう父は、元気はつらつな子供二人の面倒を考えて購入したのという。
これが私と箱根のきっかけである。
当時は小涌園のユネッサンだけでなく、こどもの村やアイススケートリンクなど、子供が楽しめる施設が多かった箱根山だったので、私も弟も箱根で過ごすことが多かった。
週末箱根時間のはじまり
そんなことから、私は小学生時代から週末を箱根で過ごすことが多かった。
金曜学校が終わると、父は私と弟を車に乗せて箱根へ連れて行った。
そして月曜の朝6時30分に箱根を出発して、東京の家に戻っていたという。
金曜の夜出発して、月曜の朝に帰るのは、運転する父が単に箱根山の渋滞が嫌だったというだけらしい。私たちは子供なので、とにかく親に従うのみ。
週末箱根時間は今も変わらず
コロナや父の病が重なり、東京滞在時、私が箱根の家の掃除当番になる。
そういう場合も、金曜の日本の仕事を終えてから出発する。
そして、箱根の家で簡単な夕食を済ませた後、時差のあるイタリアの仕事を終わらせる。そうやって私の一週間を綴じる。
同じく私も道路渋滞が嫌なので、月曜の朝7時くらいのバスで東京に戻る。
そうすると9時頃に到着する。
アポイントは10時から動けるというものだ。
箱根での食事は基本的に自炊
箱根は言わずと知れた温泉地なので、昔は湯治で1週間くらいを過ごす人が多かった。そんな歴史を備えた老舗旅館も多い。
今は日帰りや一泊二日でも楽しい箱根だが、今はB&Bタイプやキッチン付きのリーズナブルな宿泊施設も増えたので、ぜひとも少し長めな箱根時間をお勧めしたい。
ワーケーションやリモートがニュートラルな今、箱根でブレストっていうのもありではないかと思う。
そんな私も、箱根時間を経て完成させたプロジェクトやアイデアがいくつもある。
頭を空にするというわけではなく、ひとりで過ごす時間で自らの思考を集中させることが、多忙な日常の中で必要な時間であると気づいたからだ。
もちろん息抜きで好きなことをする時間ももつし、温泉で一息つく時間はいわずもがな。
箱根ひとり合宿のごほうびは温泉まんじゅう
箱根はとにかく土日祝日は渋滞が基本。
そして今現在は月曜も渋滞する。
なのでバスはほとんど動かない。登山鉄道に乗る方が時間に正確だ。
そういう時、小田原駅へ行くまでの途中で箱根湯本駅で下車し、駅前にあるお土産屋さんでできあがったばかりの温かい温泉まんじゅうをいただく。
これもこれでご褒美。
東京への帰り道に温泉まんじゅうを楽しむのは今に始まったことではない。
もうすでに江戸時代から楽しまれている人のパターンではなかろうか。
と調べたら、温泉まんじゅうは20世紀に入ってから誕生したという!
しかもはじまりは伊香保温泉らしい。
もうすっかりヤジキタ道中にも出てきていたのではないかと、勝手に思い込んでいた。
まんじゅうを最も身近に感じる温泉地
こうやって温泉まんじゅうと向き合って考えると、いろいろロングライフデザインを各温泉地で行っている。
温泉地にはまんじゅうありみたいなイメージすら頭にある。
「まんじゅうこわい」の落語ではないが、まんじゅうを最もメジャーに、お土産物の代表に押し上げたのは間違いなく温泉だ。
それ以外の温泉地の名物といえば、温泉卵くらいだ。
サブリミナルなイメージにもなり、ツーといえばカーみたいな温泉と温泉まんじゅう。
そして温泉だからといって、別に蒸すスタイルの温泉まんじゅうじゃなく、焼きな温泉まんじゅうもありである。
誰にでも柔軟に対応しながらも、確固としてその地位もあり、特別感もある。そして厳かでもなく控えめ。そっと寄り添う温泉まんじゅう。
ちょっとだけ哲学的だ!