歪さを抱きしめる―「勝手にふるえてろ」読書感想文
「人生って難し〜」とよく思う。人生は物語ではないから当たり前かもしれないけれど、時々、歯車が異様に噛み合わない日があるのだ。その度に私は心の中で呟く。「難し〜!!!」。
だから、『勝手にふるえてろ』を初めて読んだときは強い衝撃を受けた。だって、物語なのに、あまりにちぐはぐで、歪で、「人生のディティール」が細かすぎたからだ。
主人公のヨシカは、中学時代同級生だった一宮・通称イチへの恋心が未だに忘れられなかった。そんな中、会社の同僚である霧島・通称ニに人生で初めてのアプローチを