東芝解体 電機メーカーが消える日
MicrosoftのImage Creatorで「工場の会議室で5人の人が頭をかかえて困っている様子で打ち合わせをしているところ」としたらこんな感じに頭を抱える5人と後ろからにらむ一人になった。
本の内容からすると監視者の存在はありか。
成功モデルは永遠の成功を意味するものではない
例外も今後あるのかもしれないけど、ある程度具体化されたビジネスが、ずっと同じ形で成功することはないですね。
PPMを眺めていると、自社に花形→金のなる木を持っているうちに、問題児を花形に育てよう、みたいなところがある(ざっくりしすぎ?)。
「負けたのは本業でなかったから」の一文を見て、たしかに本業と思ってやってなければ、問題児が花形になることはないな、と改めて納得。
もう一つ、問題児が花形になっていくケースは決して多くないし、スター街道を走っていたとしても、いつはずれるかはわからない。この意味でコンティンジェンシープランは必要。
野中先生の戦略の本質で書かれていたように、日本人は神風を期待して、コンティンジェンシープランを準備していないことが多い。
本業でない、かつコンティンジェンシープランがないという視点を持って読むと、かなり楽しめる?本でした。(いや、日本企業敗戦の事例集なので面白くはないか)
取り上げられている企業
東芝
NEC
シャープ
ソニー
パナソニック
日立製作所
三菱電機
富士通
自分が就職した1990年代後半は、花形のメーカたちですね。
パイオニアのPDP事業に数年いたので、液晶のシャープ、PDPではパナソニック、日立のところで記載があるのが、なんとも悲しい。
なるほどね、と思った記述が、当時競合と比較してはりあっていたが、ユーザー目線が弱かった。その隙を三星さんとかがついて、新興国で存在感を高め、大型TVがコモディティ化したところでいいポジションをとってしまった。
亀山工場とか、堺近郊の大型ディスプレイ工場の建設合戦は英断というように当時見えていたけど、今(2023年)となっては、TVはリビングの主役ではなくなっているので、花形にどう投資すればいいのか?というのはデータが後日談として手に入るビジネススクールのケーススタディにしても難問。
おわり
グロービスのFROの授業で、コングロマリットと専業が(主題ではないが)取り上げられるものがあった。
経営者(文字通りのトップ)も人間なので、適切な判断をするには適切なドメイン知識をもって、判断するに必要なリソースがないと厳しい。
とすると、「本業でなかった」とまわり(株主)からみられるような事業はやってはいけないし、そうした事業に転換を余儀なくされる場合は、「本業としている」と説明できることが必要。
内容とするとちょっと古い本になってしまいますが、MBAの副読本とすると、おもしろいと思います。