狭間の風景の中で
ただUFOを見にいくために駅を降り、目的を果たしたあとは無目的に歩いた日の話し。
前回の記事の続き。
広瀬川を渡る手前に神社があった。
常蔵院(十八夜観音堂)
手前には駐車場と、何もない更地。
目の前に立ち上がっている風景はきっと途中だろう。
風景に完成はないが、そこが未完成で、何か中途半端な現在地にいるような心地になった。
解体や建設前の更地といった周辺環境の中で、刹那的にそこに現れる風景はこちらが見ない限りはすぐに移ろい変容していく。
そんな瞬間を残すことは誰の役に立つわけでも大きく誰かの心を揺さぶることでもないかもしれないが、自分にとっては重要であり、狭間の中で立ち上がる風景はとても魅力的だった。
そういえば、あの橋と道路も完成に向かっているそうな…。
と思い、広瀬川を越えて河原町方向へ向かう。
そして
仙台駄菓子の老舗、石橋屋の前に来た。
ここもずっと長いこと工事が進まずにいたがやっと動き出した。
橋の向こう側は少なくとも私が高校生時代の15年近く前からずっと途中のまま工事が進まず、ここ最近ようやく道路が伸びてきて完成へと向かっている。
車利用者から見ればこの道路が繋がって連坊〜新寺方面に一気に抜けられるのはかなり便利なはずだ。
ここも半端な現在地。
この道路が通れるようになれば上を歩いてみようと思う。
しばらく歩き、仙台駅東口付近の喫茶店で一休み。
名前に引っ張られて、ということもあるのだが、イタリアンロースト(深煎り)にした。
苦いコーヒーで疲れと眠気にガツンと喝を入れてほしい気分だったから今回は完全に理由が噛み合った。
少しだけ休んで日が落ちる前にまた歩き始めた。
陽当たりの差。
東口側から、通称・X橋を越えて西口側へ。
このデザイン、もしかしてX橋だからXになっているのかな?
この日の夜は観劇予定があり、開演まではまだ1時間以上空いていたからJAM CAFEでゆっくりすることにした。
2万歩以上歩くと、もう無意識にクエン酸を欲しがってしまっていた。
最高だった。jam cafeのチーズケーキはずっと好きだが、これだけ歩き回ったあとのそれはいつも以上にグッと染みた。レモンの酸味もあるが、味覚がいつも以上に研ぎ澄まされたような、味が全身を駆け巡った。
そんな日の散歩の話し。
ここまで書けばさすがに来年の同じ日を迎えた時に何をしてたか思い出せるかもしれない。