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「文明の交差を肌で感じる」パレルモのお薦めコースと予備知識【その2街歩き編】
短時間のパレルモ観光を有意義なものにするために
と、いうことで前回の続き。今回は街歩きルートです
前回はパレルモとシチリアの歴史を超ダイジェスト版でご紹介いたしました
今回のお薦めコースは「異文化を感じる」がテーマ
時代を追いながらパレルモの旧市街を歩くコースをご紹介します
1. ノルマン宮殿(Palazzo dei Normanni)
最初は旧市街の南側にあるノルマン宮殿
パレルモの歴史の全てをギュギュっと凝縮した建物です
ノルマン宮殿自体は9世紀アラブ人達によって建設されたのですが、この辺りは紀元前8世紀にパレルモが誕生のした時のエリアで、それからず~っと現在に至っている場所
地下には紀元前8世紀頃のフェニキアの城壁跡も残っています
ノルマン宮殿内にあるパラティーナ礼拝堂は12世紀ノルマン時代のもの
礼拝堂の内部は北アフリカからやってきたイスラム職人の手による装飾天井や、コンスタンチノープル(現イスタンブール)出身が手掛けたビザンチンのモザイク美術などが残り、とにかく一言では表せない異種文化の調和を目の当たりにできます
2.パレルモ大聖堂
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ノルマン宮殿出口前に広がるボナンノ公園を見渡すと斜向かいに大聖堂の鐘楼が見えます
パレルモ大聖堂は12世紀、もともとモスクがあった場所に建造されました
ヨーロッパの教会っぽくないこの建物は、時代とともに増築、改築が繰り返されていてパレルモの歴史をそのまま語っている外観です
メインの入口として使用されている部分は15世紀カタルーニャゴシック様式で、スペインのバルセロナの大聖堂の入口とよく似ています
大きな円蓋は18世紀の増築で、後期バロック様式
大聖堂の後ろ側は教会の建築当初の部分が残っていて、12世紀のアラブ・ノルマン様式です
ノルマン時代にイスラム職人が作り上げた西洋とアラブが融合した世界でも大変珍しい建築様式で、イタリアにはパレルモ、チェファルーそして南イタリアの一部のみにしか存在しません
教会内部は残念ながら改装されていますが、有名なフリードリッヒ2世も眠るノルマン王朝とスエヴェ時代の霊廟やパレルモの守護聖人ロサリアの聖遺物が祭られる純銀の大祭壇などが見ものです
3.クワトロ・カンティーとプレトリアの噴水
大聖堂前のメインストリートはパレルモで最も古い道のひとつ
現在は歩行者天国になったこの通りにはカフェやお土産屋さんも多いのでぶらぶらとそぞろ歩きしながら海側へ向かって下っていきましょう
![](https://assets.st-note.com/img/1681378273959-VSoWiWvgiw.jpg)
途中、二つのメインストリートが交わる場所がクワトロカンティー
「四つ角」という意味です
17世紀初めパレルモの町を東西と南北に走る2つの大通りが交差するこの場所に作られた見事な装飾です。当時のパレルモはスペインの領地だったので、スペインの建築家や彫刻家たちの匠の技で優美なバロック様式の装飾となっています
4つ角を飾る噴水の女性達はそれぞれ春夏秋冬を象徴していて、農耕を礎とした当時の西ヨーロッパの思想が伺えます
ここから海側を正面にして右斜向かいにあるパレルモ市役所前にはとても大きなプレトリアの噴水があります。プレトリアの噴水は、ミケランジェロの弟子の1人だったナケリーニによって作られたパレルモの数少ない後期ルネサンス様式です
![](https://assets.st-note.com/img/1681378329383-hwSq7jAoKH.jpg)
4.ベリーニ広場
プレトリアの噴水があるプレトリア広場のお隣、市役所の後ろにある広場がベリーニ広場
この広場に入ると再びパレルモのマルチカルチャー感がガツンと目に入ってきます
隣り合わせで建っているマルトラーナ教会とサン・カタルドはどちらも世界遺産に登録されている教会。
12世紀、ノルマン時代に建立されたもの… つまりイスラム教徒と東方正教とカトリックが混ざった…そう『アラブノルマン様式』の教会です
![](https://assets.st-note.com/img/1681378363288-GzBK0avc1e.jpg?width=1200)
右側のサン・カタルド教会は完璧なイスラム建築
外見だけ見ると教会とは思えません
左側のマルトラーナ教会(通称)はその後の拡張工事で外観は教会っぽくなっています。どちらの教会も内部入場可能なんですが、どちらか一つという場合、お薦めはこちら、マルトラーナ教会です
12世紀当時の素晴らしいモザイク装飾があり、17世紀の拡張工事部分に施されたバロック装飾やフレスコ画との調和が何とも美しいのです
![](https://assets.st-note.com/img/1681378469846-hLsTCcHXj1.jpg)
モザイクはノルマン宮殿内のパラティーナ礼拝堂にあるものと同時代なので、ノルマン宮殿の中に入らなかった(もしくは入れなかった)のなら是非このマルトラーナ教会の内部を見学してください
入場料(2023年4月現在)もマルトラーナ教会が2ユーロ(ガイド同伴の場合は割引あり)、サンカタルド教会は2,50ユーロ(マルトラーナ教会の入場チケットがあれば割引あり)とノルマン宮殿よりははるかにお得なプライスです
と、いうことでパレルモ街歩き観光ダイジェストをご紹介いたしました
歩く速度にもよりますが、内部観光せずにこのルートを歩くとだいたい2時間くらいでしょうかね?
車両規制のある道なので、スマホ片手にお散歩がてらテクテク歩くと楽しいかもしれません
通りのカフェで一休みするならシチリアのグラニータやカンノーリを味見することをお忘れなく!
[みゅう]ヨーロッパの個人旅行サイトで現地ツアーやらせていただいてます。パレルモの観光に興味を持たれた方、是非一緒に町を歩きませんか?
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![旅する観光ガイド](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/99779032/profile_34887f2af82b253b829fde510a14f89e.jpg?width=600&crop=1:1,smart)