88.あると便利な身分証明書
日本では国内で身分を証明するものと言えば、昔は運転免許証や保険証が一般的でした。
今ではもちろんマイナンバーカードですね。
イタリアでは自治体によって発行されるCarta di Identità(カルタ・ディ・イデンティタ)になります。
居住地で発行される
個人を識別するのがコーディチェ・フィスカーレなら、それとは別に身分を証明するものとして、Carta di Identità(カルタ・ディ・イデンティタ)があります。
カルタは紙、イデンティタはアイデンティティという意味なのですが、まさに素材的に「紙」で出来ているのです。
居住している自治体へ申請して発行してもらいます。
私の場合はComune di Braccianoということで、当時のブラッチャーノ市長の名のもとに発行されていました。
イタリア国内旅行をするなら、飛行機に乗るときも宿にチェックインするときもパスポートを出す必要はなく、このカルタ・ディ・イデンティタだけで大丈夫です。
映画館、美術館、コロナ禍ではワクチン証明書と共に提示が求められるなど、コーディチェ・フィスカーレより実生活に密着しているかもしれません。
どんなふうに私のアイデンティティが証明されているのかというと、氏名や生年月日のほかに、身長、髪の色、目の色まで記載されていて、ある意味、コーディチェ・フィスカーレより具体的です。
ブラッチャーノ市役所の市民課窓口で、記載事項を確認しながら記入していったときのことをよく憶えています。
担当者が私の瞳を正面からジッと見据えて「カスターニ(茶色)ね」と確認したのですが、日本人なら黒髪に黒い瞳なんだけどな、と言ったら「そうなのね」とアッサリ引き下がりタイピングしてくれました。
そんなわけで私のカルタ・ディ・イデンティタには、髪も目も「Neri(ネーリ)」で黒と記載されています。
紙から電子カードへ移行中
数年前からこの身分証明書の素材が「紙」から「プラスティック」に移行されています。
と同時に呼び方も変わり、Carta di Identità Elettronica(カルタ・ディ・イデンティタ・エレットロニカ)となり、ICチップ入りで電子的に処理できるものになりました。
希望者はいつでも紙から電子IDタイプへ移行できて、私の周りの人はすでにみんな変更済みです。
ボロボロの紙を持っているより、プラスティックカードのほうが持ち運びに便利ですから。
先日、イタリア人の友人たちとナポリに行ったとき、ホテルのチェックインでこの古い身分証明書を出したら、久しぶりに見たわーと、みんなに驚かれました。
そこで、あと1年ほどで期限切れを迎えるのでそろそろ電子IDカードに交換しようと情報収集したら、10年前に申請したときとは仕組みが全く変わっていました。
まずは専用サイトへアクセス
イタリア政府は電子身分証明カードの移行にあたり、専用サイトを構築しています。
サイトによると新しい電子IDカードはイタリア国内のみならず、EU圏内どこでも身分証明として機能するようです。
移住してこれから新しく申請する場合は、下記サイトからお住まいのコムーネ(地方自治体)にアポイントメントを入れてください。
いちばん上の理由欄からPrimo documentoを選んで、あとは氏名、コーディチェ・フィスカーレ、居住している自治体名を入れるようになっていました。
電子IDカードは紙と違ってコーディチェ・フィスカーレと紐づけられるようです。
やはりイタリア移住には、まず最初にコーディチェ・フィスカーレを取得しておいたほうが便利と思います。
うちにいらしたお客さまの朝ごはんは日本人向けに塩系です。
ミントやレモンを浮かべた白湯も毎朝お出ししています。
イタリアのホテルだともれなく甘いものとカフェ、糖分とカフェイン摂取でテンション上げていく系になるので好評いただいてます。