好きな短歌
わたしはこういう短歌が好きで、でもこういう短歌が好きだと思わない人の方が幸せになれると思う。
白シャツにミートソースが飛ぶことを恐れるように過去を話した
(よだか)
さみしいと言えない代わりにさむいって言うね嘘しかない仲だから
(こはぎ)
ちょっとだけうそつかないとそのままじゃ私がやさしくないのがばれる
(脇川飛鳥)
質問に答えてくれるおだやかさ あなたの娘であればよかった
(東直子)
最初からお手もお座りもできたけどあなたに教えてもらいたかった
(初谷むい)
もうきみを明るく照らせなくなって取り替えられるための接触
(千原こはぎ)
わたしがこの短歌に重ねるあなたは絶対にこの短歌たちに共感なんてしないけど、だからわたしはあなたがすきなんだと思うし、だから永遠なんてないんだとも思う。