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働いていた設計事務所が倒産したその後

前回のnoteでは、働いていた事務所が倒産したことを書きましたが、今回はその後の給付金や失業手当についての話です。前回は進行中で詳しく書けませんでしたが、今はだいぶ状況が見えてきました。

甘い見通しだったスタート

事務所が倒産したものの「まあ書類を出して手続きさえすれば、失業手当や解雇手当がもらえるだろう」くらいに思っていました。しかし、手続きを始めてから、この考えが甘かったことを実感!
そうだ、ここはイタリア、こんな簡単に事務手続きが進む方がおかしいんだ。忘れていた自分のバカバカ。

当初、先に辞めた同僚から「支援団体で手続きすればいいだけ」と聞いていたのもあって、書類さえ揃えて提出すれば良いと思い込んでいました。
しかし、事務所が倒産したとなると状況は同じではありません。
破産管理人という新たなワードも出てきます。
しかも、"失業手当の申請""未払い賃金や解雇手当の請求"は、別の手続きだと初めて知りました。
あああー、こういう用語は見ただけでクラクラする。

混乱と不信感

まずACLIという労働者の権利を守るための非営利団体を訪ねました。
ここは、先述した同僚が手続きしたという団体です。
集めた書類を持って行き、親身に話を聞いてもらい、倒産記録などを調べてもらったら「この事務所、まだ倒産してませんよ」とのこと。

えええー、これって所長に騙されたってこと?

それと、手続きに7%の成功報酬が必要と言われ、これまた予想外に高額なので驚きました。
とりあえずここでは、所長に再度確認してから手続きを進めることにしました(結局、倒産の申請がされたたのは10月下旬でした)。

その前に、イタリアにはもう一つCAFという税務系の支援団体があります。実は、解雇された時に行くべき支援団体だと勧められたのはこちらでした。
ACLIでも同じ手続きができるというので、先に予約が取れたACLIの方を訪ねたのですが、やっぱり勧められていたCAFに行くべきだったかも。
ということでCAFに電話したらすぐに予約が取れました。

そしてCAFを訪ねたら、なんとさらに状況悪化!
こっちは10%の成功報酬を要求され、「未払いの賃金や解雇手当は一部しか保障されない。所長が提示した金額の3分の2しか手に入らない。」と言われました。

えええー、やっぱり私、所長に騙されてる?

驚いていると、CAFの職員から、「手続きを進めるにはまだ時間に余裕があるから、他の解雇された同僚と相談してみては」と助言されたので、そうすることにしました。

すぐさま私と同じく解雇されたもう一人の同僚Fさんに電話をして説明したら、この人も予想外だったようで驚いていました。って、Fさんも楽観視していて、まだ何も手続きしていないんです。支援団体の予約が取れたのが11月中旬だとのんびり構えていました。

ここで一番頼りになるのは元経理のLさん。「何かあったらいつでも聞いて」と言ってくれていたLさんに電話してみることにしました。
以下、わかったのは、元従業員の未払い賃金などは優先的に保障されるとのこと。これは、所長が保障の余力を残して倒産手続きをしているから大丈夫らしいそうです。

所長、疑ってごめんなさい。でもまだ手当などを受け取る(早くても2月になるそう)まで安心できないけど。

彼が解決の道を見つけてくれた

そして右往左往している間、私の彼は独自にリサーチをしていました。この人、けっこうマニアックにこういう情報を調べるのが好きなんです。
前回のnoteでは、彼の知人伝いの不確かな情報に振り回されたことを書きました。しかし、今回は大活躍してくれました。

失業手当の申請手続きはオンラインと電話で済ませてくれ、未払い賃金や解雇手当の請求手続きに必要なことも徹底的に調べてくれました。
しかも請求手続きをしてくれる専門の弁護士を見つけ出してくれ、手数料の交渉をしてくれました。
ACLIやCAFに頼らなくても弁護士に頼んだら請求手続きができるとのこと、こっちの方が、結局は必要経費が3分の1以下になりました。
なんと大きな違い!もちろん弁護士に頼むことにしました。

次の難関かもしれないイタリアのハローワーク

一方、失業手当の手続きは彼がスムーズにしてくれていたので進展がありました。
先日、職業センターというところから連絡があり、来週、面談に行くことになっています。ここは日本で言うところのハローワークみたいな機関です。

「仕事の紹介とかされるのかな、自分の希望を考えておこう」と、ちょっとワクワクしていたのですが、彼の言葉にこれまた愕然とすることに。
「そこでは仕事は見つからない。体裁を整えるためだけの組織だ。ここは日本ではない。時間を無駄にするだけの面談だから期待するな。」
それならなぜ、そんな組織が存在するの?
期待しないで偵察がてら行ってきます。

もろもろの手続きが2月まで長引くとなって驚きましたが、とりあえずはひと安心といったところです。それと、楽観していた自分を反省。失業手当が出るし、好きなことしてしばらくはリフレッシュ期間にしようなんて考えていた私の考えは甘かったです。
さて、来週のハローワークどうなるかな。

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