キューバの国花マリポサは、一度嗅いだら忘れられない香りだった
ハバナ大学から一番近いカフェ「Locos Cubanos」の入り口には、毎朝花売りのおばさんが来て、一種類、もしくは二種類の花を広げていました。
10月の初旬、あまりの香りの良さに吸い寄せられていくと白い花が。くちなしの香りとも、見た目とも異なります。
「これはマリポサ。キューバの国花よ」と。「あー、香りジンジャーだ」。日本では夏の終わりに若干出回る花です。香りがいい反面、数日でダメになってしまうため、花屋の店頭ではめったにお目にかかることはできません。フレグランスなどでは、「ジンジャーリリー」、白い百合のような姿からか「ホワイトジンジャーリリー」とも言われます。「マリポサ」とはスペイン語で「蝶」という意味。蝶のようなひらひらした形状からつけられたのでしょう。
花言葉は「豊かな心」。心地よい気分にさせる花の香りにちなんだようです。それには大いに納得。マリポサの香りは夕方を過ぎてから、香りが強くなり、一晩中香りを放ち続けます。10月といえども、相変わらず熱帯夜が続くハバナの夜。部屋で静かに一人で過ごす時間が、濃厚な花の香りで、幸せな贅沢な時間に変わりました。
「マリポサ」はこれで20円くらい。顔なじみになると、オマケしてくれるようになりました。