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20年近く前のリモートワークは辛かった

ITサポーターTsuchidaの土田です。

コロナ禍によって日本でリモートワークがずいぶん進んできました。通信回線も早くなり、ZOOMなどの会議ツールが普及してリモートで働く環境が整ってきました。今私は個人事業主で持ち帰りで仕事をしているので、リモートワークといっていいのかわかりませんが、快適に仕事ができています。

今となっては個人事業主として比較的自由に働ける身になっていますが、これでも以前は会社員として働いていました。

私は1986年に社会人になって東京でSEとしてシステム開発を経験し、10年ほどしてシステム運用支援のサポートエンジニアになりました。東京での仕事には大きな不満はなく、ずっと東京で仕事をしているんだと思っていました。

ところが両親が2年くらいの間に立て続けに亡くなり、実家を守るはずに兄がいなくなり、私の新潟の実家は突然空き家になってしまったのです。両親が亡くなり空き家になった実家を、月一で東京からやってくると何ともやりきれない気分になり、東京を引き払って新潟に戻る決心をしたのです。

そのころ私は東京で、外資の業務ソフトの会社でカスタマーサポートの仕事をしていて、新潟に戻るのでやめるしかないので、マネージャーにやめることを伝えました。自分としては仕事を辞めるつもりと申し出たのに、マネージャーから、「新潟に戻っても今の仕事を続けてほしい」と思いがけない言葉を言われたのです。当時私は電話やメールでの顧客からの問い合わせに答えたり、問い合わせの調査や検証を行って、それでも解決できない問題を海外のエンジニアにエスカレーションするものでした。その中のメールでの問い合わせの一部を一部やってほしいということで、当時として珍しいリモートワークを始めることになりました。

当時のリモートワークでは3台のPCを使って検証環境を作り、光ファイバーでインターネットVPNで会社に接続するのですが、VPN接続で64Kの速度になってしまうため、通信速度がネックになりました。メールの取り合わせの対応だったのですが、スクリーンショットやログファイルなど添付ファイルがあるとメールの受信だけでもかなり時間がかかりました。メールを送信するときも送信前にVPNで接続が切れると作成中のメールが破棄されたりとかで、リモートで接続環境が悪いとそれだけでストレスになります。

通信環境以外にも、数人で対応する仕事の一部を行うので、リモートだとどうしても他の人よりパフォーマンスが落ちがちになります。サポートってちょっとした情報を入手するって一人でやっていると難しいのです。リモートでやるには自分で大部分の情報が入手できないと難しいですものです。当時は外資の業務ソフトのサポートなので、サポート情報は社内の方に圧倒的に多くて、接続速度の遅いリモートからはなかなか大変だったのです。

何よりもきつかったのは、海外のエンジニアに解決できない問題を調査依頼するときだった。海外のエンジニアへの調査依頼は英語で書かなければいけないので、同じオフィスなら英語の書き方を聞けるのですが、リモートで英語を書いていると頓珍漢な英文になるのです。自分の英語力のなさを痛感させられました。そんな困っているときに気軽に相談できないとリモートは孤独に感じるのです。

海外の本社が翌年合併されて別会社になったので、リモートの仕事は1年で終了して、新潟で別の会社に勤めることとなり、リモートワークは1年余りで終了しました。ただこの経験があったので、リモートワークには何が必要なのかはこの時わかったのです。それが今個人事業主としての仕事に役立っているのです。

リモートワークに最低限必要なのは、PCの環境と通信環境です。PC環境が不足していれば、リモートでは仕事にならないので、検証できるPCをすぐに用意します。今だったら、MicrosoftのOfficeが32ビットと64ビットでは環境が異なるので、私のような仕事ではどちらの環境も必要になります。

PC環境や通信環境以外に、リモートだけで完結できる仕事の範囲をこなすということです。分業になるとどうしても待ちが発生するので、仕事の範囲を明確にしたうえで、いつまでにどれくらいの成果物を仕上げるを明確にします。仕事の範囲と成果物が明確になると、リモートで自分のペースでできるので非常に気が楽です。

最後にリモートとはいえ、何かあったらすぐに行けるかどうかってにも意外と大事だったりします。1時間もあれば行けるというか安心感があると、万が一の時でもオンサイトでの対応が想定できます。

私はITのエンジニアはリモートはテスト環境に過ぎないので、本番環境での検証が必要で、時々本番環境に検証しに行きます。この本番環境の検証が、意外に気分転換になるのです。まあ私は個人事業主なので、リモートワークといっても勤務時間の拘束はないので、時間があるとnoteに記事が書けるわけで、恵まれた環境なのかもしれません。

リモートワークって気分が乗っているときってものすごく仕事が進むのですが、気分が乗らないと全然仕事が進みません。だから気分が乗らないときは無理をせず、気晴らしに料理をしたり買い物をしたり、場合によってはちょっと近場に出かけるとかして、気分が乗ってからまとめて仕事をします。

ただこのペースに慣れると、会社に毎日通勤するということは無理なので、人間って楽な環境にはすぐに順応できても、辛い環境に順応することは大変なんだとつくづく思うのです。

#リモートワークの日常

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