楽天グループ(4755) 39点
1. 会社の概況と特徴(300文字以内)
楽天グループ株式会社(4755)は1997年2月に設立され、2000年4月に東京証券取引所に上場しました。主な事業内容はネット通販、金融、旅行などの総合サービスであり、2019年には携帯電話事業にも参入し、通信インフラの外販も行っています。主要事業セグメントはインターネットサービス(売上53%、利益6%)、フィンテック(売上32%、利益17%)、モバイル(売上16%、利益-93%)、海外事業(15%)で構成されています。株購入においては、インターネットサービスやフィンテック事業の安定性が魅力的ですが、モバイル事業の赤字が財務リスクとなるため、総合的な評価は慎重に行う必要があります。
2. 安定した成長の有無
楽天グループは総資産24兆8282億円に対し自己資本比率3.5%と財務状況は非常に厳しいです。有利子負債が5兆4372億円と高水準であり、財務の健全性には大きな課題があります。株主還元は近年配当を停止しており、将来の配当予測も不透明です。売上高は増加傾向にあるものの、利益は長期にわたり赤字が続いており、成長性についてはモバイル事業の改善に期待が持てるものの、現状は安定した成長とは言えません。
3. 直近の売上高、営業利益
2024年12月期の売上高は2兆2500億円、営業利益は-550億円でした。過去数年間では売上高は増加しているものの、営業利益は赤字が続いています。将来の予測として、2025年12月期には売上高2兆4500億円、営業利益700億円を見込んでおり、改善の兆しがあります。現在の株価は963.5円で、時価総額は20兆220億円、総資産は24兆8282億円となっています。
4. 現在の株価
現在の株価は963.5円で、時価総額は20兆220億円です。総資産は24兆8282億円に対し、自己資本は8600億円で自己資本比率は3.5%です。低い自己資本比率は財務の不安定性を示しており、投資家にとってリスク要因となっています。
5. キャッシュフロー、現金
2024年12月期の営業キャッシュフローは7,241億円、投資キャッシュフローは-5,974億円、財務キャッシュフローは2,919億円でした。現金及び現金同等物は51,276億円を保持しており、一定の流動性は確保されていますが、投資活動によるキャッシュアウトフローが継続しています。資金繰りの改善が求められます。
6. 配当性向
過去の配当実績では、2019年から2022年12月まで一貫して4.5円を支給していましたが、2023年12月以降は配当を停止しています。2025年12月予想では0~2円の配当を予定しており、配当政策は不安定です。株主還元の面では現状は低評価となります。
7. 採点と理由
業績と財務(5/20)
売上は増加しているが、自己資本比率が極めて低く、赤字が続いているため低評価。株価の安定性(8/20)
株価は大きく変動しており、安定性に欠ける。成長性(10/20)
モバイル事業の改善に期待できるが、全体として成長性は不透明。業界地位と競争力(12/20)
ネット通販やフィンテックで一定の地位を持つが、競争が激化している。配当性向と株主還元(4/20)
配当停止中で株主還元は極めて低い。
8. 総合評価(39点)
楽天グループはネット通販やフィンテック分野で一定の市場シェアを有していますが、モバイル事業の継続的な赤字と低い自己資本比率が大きなリスクとなっています。株主還元も不十分であり、財務の健全性に課題が残るため、投資先としては慎重な判断が必要です。成長の可能性はあるものの、現状では高リスクと評価されます。