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ENEOSホールディングス(5020) 83点

1. 会社の概況と特徴(300文字以内)

ENEOSホールディングスは2010年4月に設立・上場し、2017年に東燃ゼネラルと経営統合しました。主に石油元売り事業で、国内シェアは約50%を誇ります。その他、銅などの非鉄金属事業も手掛けています。事業セグメント別の売上比率は、エネルギーが84%、石油・天然ガス開発が1%、金属が11%です。株式購入の総合評価としては、安定したエネルギー市場でのポジションが魅力ですが、原油価格変動のリスクが考慮されるべきです。

2. 安定した成長の有無

財務状況は自己資本比率32.5%と健全です。株主還元も安定しており、配当金は毎期安定的に支払われています。売上と利益は、石油価格の影響を受けやすいですが、石油製品の利幅改善により、成長の余地があります。非鉄金属や再生可能エネルギー事業も拡大を進めています。

3. 直近の売上高、営業利益

2024年3月期の売上高は13兆8,566億円、営業利益は4,649億円と前年度比で大幅な増益となりました。過去数年間は石油価格の変動により収益が上下しており、成長率は安定していません。将来の見通しは、市場環境やエネルギー価格次第で変動が予想されます。時価総額は約2兆3,404億円です。

4. 現在の株価

2024年8月時点での株価は589円から865円で推移しています。時価総額は約2兆3,404億円です。総資産は10兆1,945億円、自己資本は3兆3,136億円で、財務基盤は安定していますが、有利子負債が2兆8,491億円と多額です。

5. キャッシュフロー、現金

営業キャッシュフローは2024年3月期で1兆102億円と堅調ですが、投資キャッシュフローは-2,409億円と投資が進行しています。財務キャッシュフローは-3,310億円で、借入金の返済や配当の支払いが続いています。現金及び現金同等物は7,759億円と十分な水準です。

6. 配当性向

過去の配当実績では、2023年3月期に22円の配当が実施され、2024年3月期も同じ水準が維持されています。今後の配当予測も、業績次第で変動はあるものの、安定した配当が見込まれます。

7. 採点と解説

  • 業績と財務: 17/20
    売上高と利益は安定しており、財務基盤も堅固ですが、有利子負債の多さが懸念材料です。

  • 株価の安定性: 16/20
    株価は原油価格や市場動向に影響されるため、ある程度の変動がありますが、安定傾向にあります。

  • 成長性: 14/20
    エネルギー市場の成熟に加え、再生可能エネルギーや非鉄金属事業の成長余地がありますが、成長ペースは緩やかです。

  • 業界地位と競争力: 19/20
    国内シェア50%を占める石油元売り首位の地位を持ち、業界内での競争力は極めて高いです。

  • 配当性向と株主還元: 17/20
    配当は安定しており、株主還元に対して積極的です。利益の変動が大きい点に注意が必要です。

8. 総合評価(100点満点中)

総合評価: 83点
ENEOSホールディングスは、日本国内で強固な地位を持ち、安定した業績と財務を誇ります。エネルギー市場でのポジションや再生可能エネルギーへの投資なども期待できますが、石油価格や外部環境に大きく影響されるリスクを考慮する必要があります。

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