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ヤマトホールディングス(9064) 83点

1. 会社の概況と特徴(300文字以内)

ヤマトホールディングスは、1929年に設立され、1949年に上場した日本を代表する宅配便業界のリーダーです。国内の宅配便市場で40%以上のシェアを誇り、個人向けリテール事業(売上比率50%、利益率2%)と法人向け事業(売上比率47%、利益率1%)を主要セグメントとしています。特にEC荷物の増加に対応するため、専用ネットワークを構築し、構造改革を進めています。株購入の総合評価としては、安定した市場シェアを持ちつつ、競争環境が厳しい中での成長が期待されますが、収益性の改善が今後の課題です。

2. 安定した成長の有無

ヤマトホールディングスは、自己資本比率51.2%と健全な財務状況を維持していますが、売上や利益は横ばいの状況が続いています。株主還元については、安定した配当を維持しており、今後も23円の配当が予測されています。EC市場の成長に支えられているものの、輸送コストや人件費の増加が利益率を圧迫しています。

3. 直近の売上高、営業利益

2024年3月期の売上高は1兆7586億円、営業利益は400億円であり、増収幅は縮小しています。過去数年間の成長率は低く、2025年3月期の予測売上は1兆7600億円、営業利益は460億円と緩やかな回復が見込まれています。時価総額は6,133億円、総資産は1兆1,201億円です。

4. 現在の株価

ヤマトホールディングスの時価総額は6,133億円で、総資産は1兆1,201億円、自己資本は5,732億円です。2024年8月時点での株価は1,524.5円から2,761.5円の範囲で推移しており、株価は不安定な状況が続いていますが、堅実な財務基盤が投資家に安心感を与えています。

5. キャッシュフロー、現金

営業キャッシュフローは643億円と堅調で、投資キャッシュフローは-224億円で設備投資が続いています。財務キャッシュフローは-307億円で、借入金の返済などが行われています。現金及び現金同等物は1,947億円で、十分な流動性を確保しています。

6. 配当性向

ヤマトホールディングスの配当は安定しており、2023年度の配当は1株あたり46円、2024年度も同水準が維持される見込みです。今後も配当性向40%を目安に株主還元を継続する方針であり、長期的に安定した配当が期待されます。

7. 採点と理由

  • 業績と財務(17/20): 財務状況は健全ですが、売上と利益の成長が鈍化しているため、改善の余地があります。

  • 株価の安定性(15/20): 株価は比較的安定しているものの、外部要因に左右されやすい状況です。

  • 成長性(16/20): EC市場の成長に期待されていますが、コスト増が収益性に影響を与えています。

  • 業界地位と競争力(18/20): 国内で強力な市場シェアを維持しており、競争力も高いです。

  • 配当性向と株主還元(17/20): 安定した配当政策が評価され、株主還元にも積極的です。

8. 総合評価(100点満点中)

総合評価: 83点
ヤマトホールディングスは、国内での圧倒的な市場シェアを持ち、安定した財務基盤と配当政策が魅力です。成長性はあるものの、収益性の改善とコスト管理が今後の課題となります。

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