米FRB、利下げペース減速の見通し-来年の利下げ回数予想を3回に修正
概要とポイントの解説
米連邦準備制度理事会(FRB)は、2024年12月17日と18日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、予想よりも堅調な米経済の実績を受け、利下げを行う見通しを示しました。これにより、フェデラルファンド金利の誘導目標レンジは4.25-4.5%に引き下げられると予想されています。この利下げは、9月に開始された金融緩和政策の一環であり、これが3会合連続となる予定です。
米経済は当初の予測よりも強い成長を見せ、労働市場も予想ほど弱くならなかったことから、景気加速も減速も招かない中立金利が上方修正される可能性があります。しかし、インフレ率の鈍化ペースが減速しているため、FRBは来年の利下げ回数を計3回に減らす可能性を示唆しています。9月時点では4回の利下げが予想されていたため、利下げペースの減速は重要な変更点です。
注目すべきは、FOMC声明に「金利を徐々に引き下げる」といった文言が含まれる可能性があり、さらに来年の利下げ休止を示唆する発言があるかもしれません。これにより、2025年に向けた金融政策の方向性が鮮明になると見られています。
為替と株価への影響
為替市場: 米FRBの利下げ見通しとペース減速は、米ドルに対して下押し圧力をかける可能性があります。金利が引き下げられることは、米ドルの利回りが低下し、他国の通貨に対してドルが魅力を失うことを意味します。特に、利下げペースの減速や休止が示唆される場合、市場はこれを利下げの終了を意味するものと解釈し、ドル安に繋がる可能性があります。
株式市場: FRBの利下げは、株式市場に対して支援的な要因となり得ます。利下げが続くと、企業の資金調達コストが下がり、消費者の支出も刺激されるため、企業業績が改善しやすくなります。しかし、利下げのペースが予想よりも減速するという見通しが広がると、株式市場は一時的な調整を受ける可能性もあります。特に、利下げが早期に終わるとの見通しは、成長を期待していた投資家にとってはネガティブな材料となり、短期的な売り圧力を引き起こす可能性もあります。
また、FRBの政策見通しに敏感な成長株や高配当株などは、利下げの恩恵を受けにくくなる可能性があるため、株式市場全体には一定の不確実性が残ります。
まとめ
米FRBが利下げペースを減速させる可能性を示唆する中で、為替市場ではドル安圧力が高まり、株式市場では利下げの終了や減速が懸念材料となり得ます。利下げのペースや金融政策の先行きに関する声明が今後の市場動向を左右する重要な要素となるでしょう。