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日本郵政(6178) 77点

1. 会社の概況と特徴(300文字以内)

日本郵政は2006年に設立され、2015年に上場しました。日本郵政グループの持株会社で、主な子会社には日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命があります。銀行部門に大きく依存しており、特にゆうちょ銀行が利益の主要な源泉となっています。主な事業セグメントは、生命保険が56%、銀行が22%、郵便・物流が16%を占めています。株購入における総合評価としては、安定した収益基盤を持つものの、低成長であり、配当利回りを重視する投資家には適した銘柄です。

2. 安定した成長の有無

日本郵政は自己資本比率3.3%と低く、ROEも2.6%と低水準です。成長性については、ゆうちょ銀行とかんぽ生命が安定して利益を生み出している一方で、郵便事業の成長は鈍化しています。株主還元は安定しており、配当は年間50円を維持しています。売上に対する成長性は限定的ですが、安定的な収益を確保しています。

3. 直近の売上高、営業利益

2024年3月期の売上高は約11.98兆円、経常利益は6,683億円であり、前年からやや回復しています。今後の売上高は2025年に11.3兆円、2026年には11.54兆円を予測していますが、成長は緩やかです。時価総額は約4.47兆円で、総資産は約304兆円と非常に大きな規模を持っています。

4. 現在の株価

日本郵政の時価総額は約4.47兆円、総資産は約304兆円、自己資本は約10兆円です。現在の株価は約1,598円で、年間高値は1,698円、安値は1,185円です。株価は比較的安定しており、ボラティリティが低く、保守的な投資家向けの銘柄です。

5. キャッシュフロー、現金

日本郵政の営業キャッシュフローはマイナス2兆3,590億円と大きく減少しており、投資キャッシュフローもマイナス7,718億円です。現金及び現金同等物は約5兆9,504億円ありますが、キャッシュフローの安定性には課題が残ります。

6. 配当性向

日本郵政は安定した配当を提供しており、過去3年間は50円の配当を継続しています。2025年3月期、2026年3月期も同様の配当が予測されており、株主還元策は安定しています。配当利回りを重視する投資家にとっては魅力的な銘柄です。

7. 各項目の採点と理由

  • 業績と財務(20点満点中14点)
    安定した収益基盤を持つが、成長性や財務の健全性に課題がある。

  • 株価の安定性(20点満点中18点)
    株価は比較的安定しており、ボラティリティが低い。

  • 成長性(20点満点中12点)
    成長性は限定的で、郵便事業の鈍化が影響している。

  • 業界地位と競争力(20点満点中16点)
    国内では大手のポジションを持つが、競争力はやや低下している。

  • 配当性向と株主還元(20点満点中17点)
    安定した配当を提供しており、配当利回りを重視する投資家に適している。

8. 総合評価(100点満点中77点)

日本郵政は、安定した収益基盤と配当を持つ一方で、成長性やキャッシュフローに課題を抱えています。配当利回りを重視する保守的な投資家にとっては魅力的な選択肢ですが、成長を求める投資家にとっては他の選択肢を検討する必要があるかもしれません。

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