僕の留学の足跡を振り返って見てみた

お久しぶりです。今回は自分のことについてのシドニー留学についての振り返りです。正直、僕以外の人が読む価値はあまりないかもしれません。それでも良いと思う人はゆっくり読んでいってください。


10カ月ほど前、僕はシドニー空港に降り立った。シドニーに着いた当初は不安と高揚感の入り混じった得も言われぬ気持ちだった。

一月もすればだいぶ落ち着いてきたが、そんな僕を襲い始めたのが「海外留学」というものについてくるプレッシャーだった。

自分はここで何かをなさなくてはいけない、何かをつかみ、そして達成しなければいけない。

そんな気持ちに苛まれ始めた。

心ばかりが先走り、環境にまだ慣れきっていない体がその心に急かされるようにIELTSの勉強をしていた。

正直辛かった。苦しかった。

結果、留学当初の目標だった。IELTSのスコアも取り切れず、希望だった授業も取ることができなかった。

自分のことを信じてくれているだろう両親や大学の先生のことを考えると申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

それからしばらくの間、IELTS6.5や7.0、など僕が取れなかったスコアを見るたび腹の底がぞわぞわするような気分になりIELTSを少し避けた時期もあった。僕はまさに挫折を経験したのだった。

大抵の失敗は笑って何とかしている自分だがこの件に関してはそう簡単に切り替えることができなかった。


挫折から抜け出せないでいる中、ふと、アニメが見たい、と思った。

その中で何となく僕は「進撃の巨人」を選び、見始めた。

一話、また一話とストーリーを見進めていく内に僕は登場人物の一人である「クリスタ・レンズ」という女の子に何となく自分を重ねていくことに気づいた。

この人は、王家の血を引く人物であるがため、様々な人物に人生を介入され、自分を殺して生きてきた。王家の血筋を持つことを隠し、名を変え、みんなに優しい優等生としての生活。しかし、物語が進んでいく内にそんな人生に嫌気がさし、自分の人生を歩もうと奮闘していく。

そんな彼女は物語終盤に唯一無二の親友に向けてこんなセリフを口にする。


「もう人のために生きるのはやめよう!私たちはこれから自分たちのために生きようよ!!」


「性根が腐りきってるのに、今更天国に行けるとでも思ってるのかこのアホが!!自分のために生きろよ!!」


彼女が親友に放ったこの言葉は僕の胸にも突き刺さった。


僕はときどき、君は優しい人ですね、と言われることがある。そう言われることはとても嬉しいことだし、僕自身そういう人でいたいと思っているので感謝している。

しかし、同時にこの言葉が僕自身を他人の顔色を窺い、心と体を擦り減らしながら生きていく、まさにクリスタのような生き方をさせ始めていたことに彼女自身の言葉で気づかされた。


両親や大学の先生を始め、僕の留学を応援、サポートしてくれている方々には感謝してもしきれないほどの恩がある。しかし、自分の人生を歩むことと、この恩に報いることとはまた別の話だろう。彼らから受けた恩に報いるために自分を殺し、彼らの望む人生を生きていく。

そんなのは嫌だ。

他人からの評価に一喜一憂するなんて嫌だ。他人からの評価がたとえ0点でも自分が100点ならそれでいいじゃないか。だって自分の人生だもの。なぜ気の進まないことを無理にしないといけないのか。自分の気持ちを殺して他人が作った自分に沿わせないといけないのか。
なぁに、もう少しくらい自分本位に生きても罰は当たるまい。



僕は日本から遠く離れた遠い異国の地で周囲の期待に潰され、挫折を味わい、そして、日本のアニメに心を支えられた。何かを成したわけではない。人から客観的に採点されたら、僕の留学なんて30点以下だろう。でも僕は違う、100点満点とはいかないが、なんとか落第は避けられる65点はつけたい。

これは甘えなのかもしれない。

でも、僕はこの留学で苦しみ、立ち止まり、悩んだ結果、自分の好きな方を好きなように選ぼうと思うようになった。

なんだ、当たり前のことじゃないか、そんなこと、日本でだってできただろ。心の中に居る“誰か”が嘲笑う。

そんな”誰か”に僕は、要領の悪い僕はこの一年が無かったらおそらくそう思えるようにならなかったよ、と答える。

そうだ。僕には僕の成長スピードがある。ペースダウンするのもブーストをかけるのも自分で思いのままだ。それは自分が決める。

自分の人生、自分で決めよう。

これが僕の留学の足跡を振り返り見て、思ったことです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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