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『i・ショウジョ』――かわいくてちょっとえっちなお色気マンガ…なだけじゃない!魅力を解説&好きなエピソード8選


こんちは。今日は連載当時にジャンプ+で読んでいた『i・ショウジョ』というマンガを読み返して結構面白かったので、紹介がてら語りたいと思います。

i・ショウジョとは?

ジャンプ本誌からジャンプ+に移籍した作品。+時代の方が有名かも?
(1巻表紙より)

『i・ショウジョ』(作:高山としのり)は2014年に週刊少年ジャンプに連載されていたラブコメディです。

「魔法のアプリ」というドラえもん的なひみつ道具を手にした高校生たちが、アプリに振り回されながらも成長しヒロインやヒーローとくっつくというオムニバス(短編連作)形式のラブコメディで、かわいい絵柄ながらほぼ毎回パンチラや裸などのサービスシーンが盛り込まれる、いわゆるお色気枠の作品でもあります。

こういう
マンガです。
(いずれも1巻より)

ジャンプ本誌での連載後はウェブサイト『ジャンプ+』にて2014年~2017年まで『i・ショウジョ+』として連載されていました。
今でこそヒット作も多く出て有名なジャンプ+ですが、『i・ショウジョ+』はサイト立ち上げ時と同時に連載開始された、いわば創設メンバー。
スマホアプリをテーマにしていることや、お色気要素が多いことからウェブ向きのタイトルとして抜擢されたのでしょう。
実際需要にフィットした人気作となったようで、コミックスも無印が全3巻、+が全14巻出ており、ラストもしっかり話が畳まれて円満終了となっています。

i・ショウジョの魅力

かわいい女の子がいっぱい出てくるぞ!

本作の魅力は、何と言っても女の子のかわいさでしょう。お色気マンガとしてはやや等身が低めでデフォルメされた絵柄ですが、ドタバタコメディ要素が強い作風に合っています。

明るい幼馴染から
(+1巻より)
地味な女子
(+1巻より)
わがまま生徒会長に
(+10巻より)
変態ストーカーちゃんまでバリエーション豊かなヒロインが揃う。
(+11巻より)

オムニバス形式なので、毎回異なるヒロインが楽しめるのも嬉しい点。
こういうラブコメは主人公やメインヒロインを好きになれないと読んでてイライラしてしまったり、サブヒロインを好きになっても最終的に結ばれないことがメタ的に確定してるし……みたいな構造的フラストレーションが生まれることがあるのですが、オムニバスなのでその心配もありません。
これだけたくさんのヒロインがいれば一人は好みに合うキャラがいるはずですし、みんな最終的には好きな相手と結ばれる幸せなエンディングを迎えられます。大量のヒロインに気を持たせてウジウジするラブコメ主人公にイライラする必要はありません。

基本的にエンディングではちゃんと結ばれるハッピーエンド。
(+3巻より)

こう書くとオムニバス最高! と思っていまいそうになりますが、2~4話で1エピソードを完結させないといけないため、キャラクターの描写がどうしても薄くなってしまうというデメリットもあります。
実際本作でも、出会い→アプリでの騒動→結ばれるまでの流れがいささか性急だと感じるエピソードもいくつかありますが、まあそのあたりの余白を想像で埋めるというのも一つの楽しみでしょう。

ちょっとえっちなシーンもいっぱいあるぞ!

もちろんお色気漫画なので、サービスシーンも満載です。アプリが引き起こす騒動にかこつけて、好きあらばパンチラ&入浴シーンの乱舞です。

絵柄のイメージに反してパンチラ濃度(謎用語)はかなり高い。
(+10巻より)

前述の通り、本作は割とデフォルメが強め(5等身ぐらい)でかわいいマスコット的な絵柄のため、サービスシーンでもそこまで生々しくはなくはないのですが、逆に言えばストレートに性的じゃない女の子のパンチラが見られるという点に本作特有の魅力がある気がします。
エロエロな薄い本もいいですが、やはり少年誌のちょっとしたお色気シーンからしか得られない栄養素がありますからね!

カラー版で読むと(主にパンチラの)魅力も倍増!

今回はKindleのカラー版で読み返したんですが、これが良かったです。
ジャンプの主要な作品はこうしたカラー版がリリースされていて、作者自身の着色ではないこともあって割と好みが分かれがちなんですが、少なくとも『i・ショウジョ』に関してはカラー版が超オススメです(というかKindleだとモノクロ版がそもそも無い)。

理由は、まず女の子の髪がカラフルになっていていることです。この作品はたくさんヒロインが出てくるのでキャラがごっちゃになることもあるのですが、髪色が違うと見分けがつきやすく、なにより魅力も増します。

笑顔を見せないクール系ヒロイン真白。水色の髪が映えてカラーで特に魅力が増しているキャラ。
(+1巻より)

しかし、もう一つ「色」が大事な要素があります。そう、パンチラです。パンツに色が付くだけでリアリティがぐっと増し、パンチラの嬉しさも数倍に! 本作に限らず、お色気シーンが多い作品はカラーと相性ピッタリだと学ばせてもらいました。

魔法のアプリ「COLOR」は、パンチラという『i・ショウジョ』の「主役」の一人をこれ以上なく魅力的に演出してくれた。ありがとう、アイビス…。
(+1巻より)
パンチラはさておき、それ以外でも色が付いていることで印象的になっているシーンは多い。映画と同様、マンガも将来的にはカラーが主流になっていくのかも。
(+12巻より)

ストーリーもしっかりしてるぞ!

こう書くとパンチラばっかのマンガに聞こえますが、本筋のストーリー部分もしっかりしているのが大事な部分です。

魔法のアプリを巡る騒動が描かれているのはもちろん、それをヒロインやヒーローのキャラクターや成長に絡めつつ、恋愛要素を入れつつ、さらに自然にお色気要素につなげるといういろいろ大変なことをしっかりやってのけています。どれか一つならともかく、すべての要素をオムニバス短編に詰め込むのはなかなかスゴいことだと思います。

アプリというモチーフにより、アイテムの効果や使い方が実感を持って理解しやすくなっている。
(+10巻より)

完全にコメディなドタバタ劇だけでなく、日陰者な主人公たちの負の感情を描いたシリアスなエピソードの方が印象的なものが多く、作風の幅広さを感じます。

連載当初に読んで印象的だった「白い部屋」のエピソード。ドタバタお色気コメディだけでないのが本作の魅力。
(+3巻より)
演出も上手く、特に各話ラストのヒキがどれも印象的。
(+6巻より)

個人的・好きなエピソード8選

ver58 ケージ(+13巻)

スマホの中で暮らすようになってしまったグータラ娘・麗郷サヴィナを「飼育」して更正させるというエピソード。

この話で「頭にデカい機械を付けた目隠れ女子」の良さに気づきました(あまりいない)。
(+13巻より)

序盤はウェアラブル端末を付けて目を見せないサヴィナですが、それでも魅力的に見えるのがお見事。
とにかく「楽」をしたがるサヴィナですが、やはり自分の欲求をストレートに出す子は人間味があってかわいらしいです。

グータラ面倒くさがり娘、好きです。

「努力」に至上価値を置く少年漫画っぽい男子・中丸との対比も王道ながら、しっかり両者の成長が描かれています。
最終話直前のエピソードなので、再登場の機会がなかったのが残念。

敬語で舐めた口を叩く娘、好きです。

ver25 リブラ(+5巻)

幼馴染で双子の姉妹・珊瑚と琥珀に想いを寄せられる主人公が、2人と同居してえっちな誘惑をされながら取り合いされるというザ・男子の夢エピソード。

元気で体育会系な珊瑚(左)と、真面目な風紀委員の琥珀(右)。あなたはどっち派?
(+5巻より)

おそらく全編通して一番ストレートにエロい回で、ジャンプ+に掲載時は過激すぎて公開停止になった伝説の回でもあります。
本作のお色気シーンは基本的に偶発的なハプニングによるものなのですが、この話だけは明確にヒロインたちが男子に性的な誘惑を行っているため、やや毛色が異なると言えるかもしれません。しかしやはり『i・ショウジョ』を語るならこの話は外せないということでランクイン。

定番の両手に花シチュエーションだが、「対戦型アプリ」によって想いが可視化されるという設定が上手い。

ちなみに風紀委員の琥珀は後のエピソードでも脇役としてしばしば登場します。一見真面目なのに、このエピソードではあんなことしてたんだよね…と思い出して背徳感を味わえる意味でも美味しい(?)回です。

ジャンプ+の限界を踏み越えたシーンの全貌は…ぜひ本編で!

ver23 ディスティニー(+4巻)

モテない&エロ大好きな男子代表・朱雀が「運命の女性」たちに告白される回。

ラブコメ定番の「女の子が好きなのにモテない」キャラ。こういうキャラが輝く作品は良い作品。
(+1巻より)

本作はオムニガス形式の都合上、ヒロインとヒーローがどんどん結ばれていきますが、光があれば影もあり。女子と縁が無い男子=「俺達」の代弁者となるのがこの朱雀くん。
朱雀はモテないながらもエロに対してはオープンで、欲望を語り合えるよき友人たちもいるポジティブなキャラです。

(エロ)友達もおり、割と理想的(?)な「モテない男子」像だったりする。
(+2巻より)

そんな彼にも遂に好いてくれる女の子が…と思いきや告白を断ってしまう朱雀。その理由付けも納得いくもので、完成度の高いエピソードです。

本作屈指の名言。モテない男だからこそ、付けられる格好がある…。

ver40 恩返し(+9巻)

いつも人助けをしているものの、周囲からは「いい人」としか思われていない男子・荻くん。
しかし車に轢かれそうな犬を助けた次の日、クラスに犬養さんという美少女が転入してきて、「恩返しがしたい」と言い出す…。

ワンちゃんっぽくてかわいいね!
(+9巻より)

なるほど今回はワンちゃんの擬人化ね、と思わせておきながら、実は裏の仕掛けがある、かなり凝ったエピソード。
ここまでしっかり『i・ショウジョ』を読んできた読者ほど騙されやすい構造になっているのが面白いです。

是非2回読んで楽しんでもらいたい一編。

ver51 井戸(+12巻)

同級生、教師、家族…周囲から阻害されているルサンチマン女子・宝生が主役の異色回。

※ラブコメのヒロインです。
(+12巻より)

前述の朱雀が「陽の日陰者」なら、こちらの宝生は陰の陰、非常にリアルな人間の暗黒面が凝縮されたキャラクターになっています。
ストレス解消のために、普段は抑え込んでいる本音を井戸のアプリに吸い込ませる宝生。
真白や黄咲といった他のエピソードのヒロインたちにも容赦なく罵倒を浴びせるシーンは刺激的で、お色気シーンとはまったく別種の背徳感のようなものに襲われます。

過去エピソードで主役だった、思い入れのあるヒロインたちが罵倒されている姿。なにかに目覚めてしまいそう…。

こうした普通のラブコメだと出てこない、出てきたとしても悪役で終わるタイプのキャラクターが主役になりえるのはオムニバス形式ならではの魅力ですね。

しかし、井戸に沈めたはずの悪意が皆にバレてしまう。彼女の命運は本編で。

ver42 木野くんドキドキ大作戦(+9巻)

学園の天然姫こと羽生さんと幼馴染の木野くん、かわいいカップルのドタバタエピソード。

数いるヒロインの中でも、ある意味最も芯がブレていない子。デフォルメされた絵柄との相性もベストマッチ。
(+9巻より)

2人の馴れ初めのお話(ver.2)も良いんですが、今回は羽生さんの天然っぷりや我波とエレノラの引っ掻き回しっぷりが楽しいこちらをピックアップ。
魔法のアプリはほとんど出てきませんが、羽生さんと我波という作品トップ級に個性的な2人の魅力のおかげで、とても賑やかな回になっています。

語尾に(感情)が付く生意気後輩我波。
トリックスター的な立ち位置なこともあり、最後まで男子とくっつかなかった稀有なキャラ。
(1巻より)
羽生先輩にだけは素直な我波。良いコンビです。
(+9巻より)

ver21 ドリーム(+4巻)

主人公の安形次夢は勉強も部活も完璧、可愛い後輩にも告白される理想のヒーロー…かと思いきや、それは引きこもりの少年がアプリ「ドリーム」で見ていた夢の話…という衝撃的な始まり方が印象的なエピソード。

こういう「理想が具現化された妄想」シーン、見ているといろんな意味で胸がキュッとなって、好きです。
(+4巻より)

彼が見ている夢は典型的な現実逃避ですが、言ってしまえばお色気ラブコメマンガという存在自体もそうした「夢」の具現化でもあるため、読者にも罪悪感が突き刺さり「他人事」ではなくなるという構造です。

1話目の最終ページ。やっぱりヒキの演出が印象的。

ver.51もそうですが、本作はこうした負の感情を背負ったキャラクターの描写が上手いです。普段のお気楽な回があるからこそ、こうしたエピソードがより印象的になっています。

果たして次夢は「夢から覚める」ことができるのか?
お色気要素は皆無ながら、個人的には『i・ショウジョ』を代表するエピソードの一つです。

ver24 ツイート ライト版(+5巻)

最後は文学少女・紙村さんと引っ込み思案の男子・上木くんのエピソード。

ヒロインもアプリも正直地味、だけど好きな回。
(+5巻より)

緊張して他人と上手く喋れない男子が、魔法のアプリの力でおとなしい女子と仲を深める…という非常にオーソドックスなエピソードですが、アプリを使った問題の解決方法がとてもスマートにまとまっており、個人的には一番好きな回です。やっぱり王道が一番ですね。

このスカートの長さが好き。
でもパンチラはしてくれる。

おまけ

こちらのFanboxページにて作者氏が、i・ショウジョヒロインたちのちょっとえっちなイラストを公開してくれています。急いでダウンロードだ! 魔法(zip)はあなたの掌の中に…。


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