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アイスタイル(3660) / 2025年6月期 第1四半期決算の解説

こんにちは、株式会社アイスタイル IR・CSR室です。11月8日(金)に当社の2025年6月期第1四半期決算発表を行いました。
今回は決算説明会がありませんので、こちらで決算概要と補足の説明をさせていただきます。

決算関連資料はこちらからご覧いただけます。
2025年6月期第1四半期 決算説明資料
2025年6月期第1四半期 決算短信

2025年6月期は、今年8月に発表しました中期事業方針の初年度となります。
業績推移だけでなく中長期成長に向けた取り組みもご覧いただけますと幸いです。


決算概要

まず、決算サマリーとハイライトです。
マーケティング支援事業・リテール事業などの国内事業が、連結全体での増収増益を牽引しました。
連結売上高はYoY+21%、連結営業利益はYoY+107%で着地し、社内計画を上回る好調なスタートを切ることができました。

次にセグメント毎の業績になります。

マーケティング支援事業

化粧品ブランド向けの広告・ソリューション(BtoBサービス)を展開するセグメントです。

売上高はYoY+9.8%となりました。
メディア・EC・店舗を連携させた当社独自のソリューションを2021年から強化しており、徐々にその提供価値がブランドに浸透しています。結果として、新商品の発売が重なる需要期において、まとまった案件受注が可能となり、取引単価も前年同期比で上昇しました。また、ここ数年注力してきた人材育成・組織強化により、ソリューション価値を伝える体制基盤が確立しつつあることも要因の1つです。
今後も新規開拓による取引ブランド数の増加と、サービス訴求による取引単価の上昇によって、オーガニック成長が可能であると考えています。

営業利益率は前期水準よりも高い28.8%となりました。
人員増強による費用増がありながらも、限界利益率の高い事業であるため、増収によって利益率を効率的に伸ばすことができました。また、今期から始まったリテール事業との@cosme商標権に関するライセンス取引による利益計上も、増益の一因となっています。
(本取引はセグメント間取引であるため連結業績には影響なし。詳細は決算説明資料のP38を参照)

リテール事業

国内で展開する小売業(EC・店舗)が属するセグメントです。

まず店舗はYoY+28.7%となり、既存店の成長や、前期1Q中(9月)にオープンした大型旗艦店「@cosme OSAKA」が今期は3ヵ月計上となったことを受け、着実に増収しました。
QoQで見ても、改装店舗の貢献や国内客の需要を獲得できたことで、しっかりと伸ばしています。

次にECですが、こちらも店舗と同様にYoY+28.8%と成長モメンタムを維持しての着地となりました。前期のリテールイベントやプラットフォーム連携(メディア・店舗)を通じた顧客獲得・定着によって、売上水準が徐々に底上げされています。
例年と同じ季節性としてリテールイベントがあった前期4Qからは減収していますが、社内計画を上回る進捗となりました。

結果として、リテール事業全体では売上高がYoY+28.7%、営業利益率が6.3%で着地しました。

こちらのスライドでは、インバウンドを含む店舗売上高の推移をご説明しています。
店舗の世界観や商品体験が海外旅行者による自発的なSNS拡散を通じて広まったことで、@cosme TOKYOを中心にインバウンド客で賑わっていますが、外部環境により一定変動する側面もあります。しかしながら、さらなる店舗網の拡大やプラットフォーム全体でのエンゲージメントにより、環境に左右されない連続的な成長が可能であると考えています。
今期は新規3店舗のオープン、既存店5店舗の改装を計画しており、2Q(10月)では大型店「@cosme STORE 札幌ステラプレイス店」(店舗面積:約460㎡)が新規オープンしました。今後も新規出店と既存店改装により、生活者との接点を拡大していく予定です。

グローバル事業

海外で展開しているサービスが属するセグメントです。

本セグメントは、トップラインの成長ではなく、営業利益の早期黒字化を目指すことを今期の方針としております。
売上高はYoY△9.3%の減収となりましたが、これは中国越境卸・香港店舗が厳しい市場環境の影響や販売戦略の見直しによるものです。一方で、今期方針として収益性改善のために利益率の高いメディアサービスに注力しており、韓国事業がメディアサービスの成長を牽引しました。
これにより、減収する一方で収益性が改善し、営業利益が△14百万円と黒字化目前まで回復しています。

限界利益率・固定費

営業利益率の高いマーケティング支援事業の成長により、連結全体の限界利益率が改善しました。
利益体質への進展として、ご覧いただければ幸いです。

セグメント別営業利益

マーケティング支援事業・リテール事業が連結全体の成長を牽引したことや、グローバル事業の赤字幅縮小もあって、連結営業利益は7.6億円での着地となりました。

直近の運営サービスの状況

ここからは直近のトピックスを中心にご説明します。なお、業績寄与は2Q以降となります。

統合データ基盤の整備・次世代クチコミ分析ツールの本格開発へ

中期事業方針の中核である「データの可能性拡大」に向けて、統合データ基盤(CDP※1)とAIを活用したクチコミ分析の開発に、他企業とのアライアンスを組んで本格的に着手します。
CDPに基づくデータドリブンソリューションを新しい収益の柱とするべく、国内大手メーカーとは既にPoC※2を実施しておりますが、正式ローンチは今期中を予定しており、本格的な業績寄与は来期以降を見込んでいます。

※1 CDP (Customer Data Platform):顧客の属性や行動に関するデータを収集・統合するためのプラットフォーム
※2 PoC (Proof of Concept):サービスのアイデアや技術が実現可能か検証するプロセス

リテールイベント「@cosme BEAUTY DAY」を12月開催

毎年恒例となりましたが、今年も12月に開催いたします。
今回も400以上のブランドが協賛し、ここでしか手に入らない限定アイテムを豊富にご用意しています。
@cosmeでの購買体験を通じて、生活者とブランドとの出会いを創出することで、顧客基盤の強化を目指します。

Amazon.co.jp上の「@cosme SHOPPING」に海外大手ブランドが続々参加

昨年11月(2Q)にオープンしましたAmazon.co.jp上の「@cosme SHOPPING」に、海外大手ブランドである「LANCÔME」(日本ロレアル株式会社)と「The Ordinary.」(ELCジャパン合同会社)の取扱いが開始しました。
今後も、ラグジュアリーブランドを中心にブランド・商品を拡充することで、外部プラットフォームにおける生活者とブランドとの接点を拡大してまいります。

Rainmakers社と共同でメイクアップブランド「tilnus(ティルナス)」をローンチ

「Wonjungyo」・「&be」をはじめとする人気ブランドを多数展開するRainmakers社、当社と100%子会社である韓国のGlowdayz社の3社で共同開発したブランド「tilnus」(ティルナス)を10月から発売しました。
日韓それぞれのクチコミを分析し、トレンドやユーザーの声を参考に開発した商品で、グローバル事業の黒字化と韓国事業の再成長に向けて、大いに期待する施策の1つとなります。

初となる統合報告書を発行

10月に当社初となる統合報告書を発行しました。
今後も財務だけでなく非財務情報を統合した開示強化と理解促進により、ステークホルダーとのエンゲージメントを深めてまいります。

最後に

昨今の株式市場は、為替変動や日米金利差、政治・消費者動向などの様々な要因などにより、不安定な相場となっています。
このような環境下においても、当社は株主利益の最大化するために中長期成長にコミットし、中期事業目標(連結売上高1,000億円 / 連結営業利益80億円)の達成に向けて邁進していく所存です。
引き続き皆さまからご支援・ご愛顧いただける企業で在り続けるために、業界全体を盛り上げるプラットフォーマーとして、全社員一丸となって企業価値の向上とBEAUTY市場の活性化に尽力してまいります。