見出し画像

ブログに「イラストレーターになるには」を書くな(再び)

イラストレーターが仕事の窓口にするウェブサイトにおいて、ブログには何を書けばいいか?これはもう何度も言っているのですけど、「お客様に向けて、お客様が知りたいと思うことを書け」

イラストレーターさんがブログをやると、なぜかみんな揃って「イラストレーターになるには」という記事を書きます。「これからイラストレーターになりたい人に向けて、イラストレーターになるにはどうしたらいいかを書いておこうと思います」ってやつです。

あちこちで口酸っぱく言っていることなのですが、改めて伝えたい。同業者向けの記事を書くのはやめてください。

それは仕事を増やす効果が全くないどころか、せっかく仕事を増やそうと思って作ったウェブサイトを役立たずにさえします。

かくいう私も2000年代にはそういった記事を書いていました。それがもし巡り巡って今のイラストレーターさんたちに受け継がれていたとしたら、大変申し訳ないことだと思います。つぐないの意味でも、それが大変に間違っていたことをお伝えしておきたいのです。

原則として、ブログとウェブサイトは同じドメイン内で運営します。


仕事の問い合わせが来ますように、と願いつつ作ったウェブサイトを、誰にみてほしいですか?当然、お客様や、お客様になってくれそうな人たちでしょう。

少し想像力を働かせればわかることですが、イラストの外注先を探そうとしている人が、そのとき「イラストレーター なるには」「イラスト 上達するには」というキーワードで検索をするはずがありません。

だから「イラストレーターになるには」の記事をいくら書いても、お客様や見込客のアクセスは増やせません。一方で、同業者からのアクセスは増えるでしょう。

同業者はシェアやいいねをしやすい傾向にあります。するとあなたは嬉しくなって、これは反応がある、だからもっと書いたほうがいいんだ!と勘違いします。するとますます同業者のアクセスばかりになっていきます。

同業者が依頼を寄越してくるわけはないので、当然問い合わせは全く増えず、しかも検索エンジンからは「イラストレーター向けのサイト」として評価され続け、事業用ウェブサイトとしては役立たずに……というわけです。


反論として「記事数が増えればSEO効果があらわれてアクセス数が増えるからそれはそれでいいのでは」と言う人がいます。

記事数が増えれば自然とアクセス数も増えるのは事実です。ただ、単純にアクセス数が増えれば仕事の問い合わせが来るのかというと、全くそうではありません。同業者からのアクセスをいくら稼いだところで仕事の問い合わせは増えません。アクセスしてくるのが誰か、ということが大切なのです。

SEO=なんでもいいからアクセス数を稼ぐこと、ではありません。自分が願った人に届くようにウェブサイトを作ることがSEOです。


「イラストレーターになるには」をどうしても書きたければ、本当に暇になったときに、道楽で、事業用サイトとは別のドメインでやってください。自営業のイラストレーターがそんな暇を作るのはとても難しいと思いますが……。

では事業用サイトで、ブロにグは具体的に何を書けばいいか、どういう文字数で書くか、どうシェアするか、などの話は別の記事にまとめました。

実は上記の記事では、もう少しマイルドな見解を示しました。ただ、こうしてわざわざいしつく!を読みにきてくれたあなたは、ウェブサイトを仕事に役立てたいと本当に願っているはず。その点に絞るならば、やはり同業者向けの記事はやめるべき、と思います。

この記事は、いしつく!の教科書5章で割愛した部分を補遺として投稿したものです。イラストレーターさんのための仕事を取れるウェブサイトの作り方をお伝えしています。


いいなと思ったら応援しよう!

いしつく! / イラストサイトのつくりかた
イラストレーターさんはじめクリエイターさんがより良い仕事に出会える世の中を目指してます。応援よろしくお願いいたします!