イギリス湖水地方が舞台の名曲 “The Lakes” の意味がわかって泣いている。
テイラーがインスタグラムに投稿した、『The Tortured Poets Department』の歌詞と思われる投稿がThe Lakesにつながりそう、と思ってシャワーを浴びながら何の気無しに聴いてみたら、今まで気にも止めてなかった一節が妙に気になる。
『オーロラと、悲しい散文、そして私の裸の足をつたってウィステリアが育つのをみていたい。なぜって長い間動かずにこの場所にいて、あなたにそばにいて欲しいから』
ってな感じだよね。ウィステリア(藤の花)は、イギリスでも一般的な花で、玄関先に立派なウィステリアが育ってるお家が多い。5月ごろ一斉に花を咲かせるから、日本の桜の季節みたいにワクワクするし、一生イギリスに住みたいかもって気持ちなる。近所の白い立派なお家は、正面の窓の上部のステンドグラスが、白縁に緑と紫でウィステリアとマッチしてしていてすごく素敵。きっとテイラーもイギリスで過ごしている間に、立派に咲き誇る花に見惚れただろう。自分にとってもイギリスの印象的な風物詩だから、言葉以上の感情がある気がしてならない。
だけど、オーロラ辺りからイマイチ歌詞の意味がわからんぞ、ということでググった。(タダのファン) そしたら、この曲は何層のものレイヤーを持ってたと知って、改めてテイラーのストーリーテリングに感動している。HSPの本領発揮。
参照させてもらったツイートまとめは以下👇🏻
aurora = 自然に空に現れる光
prose = 普通の会話
wisteria = 新しい始まり、愛を象徴する花
一般的に美しくてロマンティックなものとして知られているオーロラに、悲しい散文(会話)。彼女は、人生のうちの高みも淵も両方とも欲しい、悲しみと美しさは対極にあるとものではない、と言ってるのではないか。
裸足は、「誰かと落ち着きたい」という彼女のもろさと率直さを象徴していて、その足にウィステリアが育っていくというのは、愛に満ちた新しい生活(命)の始まりのを意味している。
といったところ。ありがとう、Swiftie。やっと意味がわかりました。テイラーはReputationですでに一度死んでいる。数年経ってやっとウィステリアが育つのが見たいんだ。“'Cause I haven't moved in years” という部分には、当時の恋人 ジョー・アルウィン(Joe Alwyn)との関係が長く続いていること、悲しく辛い場所から精神的に抜け出せていないことを表しているように思う。サビで歌われている通り、湖水地方はロマン主義の詩人が生涯を終えるために移り住んでいった場所でありジョーの出身地。
テイラーはジョーと一緒に、新しい自分自身になりたかったんじゃないか。今となってはだけれど、ジョーを失わずに、でも新しい彼女自身になるための決意の曲のように聴こえる。結局、それは果たされなかったのだけれど。
私はオーストラリアとアメリカへ留学して、大人になってからイギリスの文化に足を踏み入れた。イギリス人特有のメンタリティ、話し方、そしてランドスケープと恋に落ちたテイラーの気持ちは(控えめに言って)よくわかる。私もウィステリアが裸の足をつたって育っていくのを見たい。受け入れられて、喧騒とは縁がないイギリスの田舎の風に吹かれて、庭先で球根から花が芽吹くのを見ていたい。鳥のさえずりで目覚めて、波の音に耳を傾けて夕暮れを過ごしたい。
でも同じくらい、テイラーがアメリカに戻って行った理由もよくわかる。良くも悪くもイギリスにはバカみたいなキラキラした夢がない。何事にも真剣で且つ皮肉っぽいし、この国は正直とてもミソジニックだ。エネルギーを取り戻したテイラーには窮屈かもしれない。裸足で湖水地方を歩いていたテイラーがいなくなって、一番寂しいのは私だ。私は、文化が進化する都市の輝きを、こうも簡単に投げ出していいのだろうか。ずっとここで、今の気持ちでいられるだろうか。好きな人の手を握って、穏やかな街を歩いていたいのは、今の私がもろいからだろうか。
ちなみに新しいアルバム『The Tortured Poets Department』は、ジョーと2人の友人のWhats Appグループの名前「Tortured Man Club」にちなんでいるらしんだけど、それってこれにかかってる? (どうかアルバムの収録曲が愛で満ちてますように…)
全部の日本語訳が見たくなったあなたはこちらの記事を読んでみて。日本語訳を探してる時に読ませてもらった記事。とても参考になりました👇
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