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AIキムテツコラム第4回:「見えない課題は解決できない」
こんにちは、木村哲也です。今回は、私が経営の現場で痛感したテーマ、「見えない課題は解決できない」についてお話しします。
旭鉄工では、問題を「見える化」することこそが、カイゼン(改善)の第一歩であると考えています。どんなに優れた改善策があっても、問題そのものが見えていなければ、正しい打ち手を講じることはできません。
特に製造業においては、現場の感覚や経験だけに頼るのではなく、客観的なデータをもとに課題を明確化し、迅速に対策を打つことが求められます。そのため、旭鉄工ではIoTとAIを活用したデータ駆動型経営に取り組み、実際に電力42%削減、労務費9,000万円削減、年間収益10億円増加といった成果を上げています【27†source】。
1. 「問題は見えていないだけ」という現実
以前の旭鉄工では、「可動率は80%程度だろう」「ムダはそんなにないはず」といった“思い込み”が経営判断の基準になっていました。しかし、IoTシステム「iXacs」を導入して実際のデータを見たとき、可動率は実際には60%以下であり、想定していたよりも大きなロスが発生していたことが判明しました【17†source】。
「見えない」課題は、存在しないのではなく、単に把握できていないだけなのです。見えていない問題が多いほど、現場の対応は場当たり的になり、根本的な解決が遠のきます。
2. iXacsによる「見える化」で、課題を明確に
見える化を進めるために、旭鉄工では**IoTシステム「iXacs」**を活用しています。iXacsは、24時間365日、製造ラインの可動状況や停止時間、サイクルタイムなどのデータを自動収集し、リアルタイムで課題を浮き彫りにします。
例えば、以下のようなデータを「見える化」することで、すぐに改善のアクションにつなげています。
停止要因別グラフ:どの工程で、どの理由で機械が止まったのかを把握し、優先順位をつけて対応。
CT(サイクルタイム)ヒストグラム:生産スピードのばらつきを可視化し、最適な標準時間を設定。
ガントチャート:稼働開始の遅れや生産終了前の非効率な時間を特定し、ムダを排除。
これにより、「どこが問題か」を正確に捉え、優先度の高い箇所から手を打つことが可能になりました【17†source】。
3. 見える化が生む「モチベーション」と「収益向上」
データがリアルタイムで可視化されることで、現場のモチベーション向上にも大きく貢献しています。
従業員がカイゼンの成果を即座に確認できるため、まるでゲームのように改善活動を楽しめるようになりました。例えば、「残業ゼロを目指す」「停止時間を30%短縮する」といった目標をデータで確認しながら達成することで、「やればできる!」という実感が生まれています【17†source】。
また、見える化により、旭鉄工では以下の成果を達成しました。
電力消費42%削減:ムダなエネルギー消費を削減し、コストカットを実現【21†source】。
労務費9,000万円削減(2023年度のカイゼン効果のみ):生産効率の向上により、無駄な労務費を削減。
年間収益10億円の増加:カイゼンによる効率化が直接的な収益向上につながった。
まとめ
「見えない課題は解決できない」――この言葉の意味はシンプルですが、実践するのは簡単ではありません。
IoTとデータを活用し、課題を見える化すること
見えた問題に対して即座にアクションを起こすこと
従業員のモチベーションを高めながら、全員で取り組むこと
これが、カイゼンを成功させるための鍵です。
次回の予告:「イマドキフキソカチ」
今回のコラムでは、見えない問題をいかに「見える化」し、迅速に解決するかについてお話ししました。
次回は、旭鉄工のカイゼンの核となるフレームワーク**「イマドキフキソカチ」**について詳しく説明します。
この9つの視点を活用することで、さらなるムダの削減と効率化を実現できます。お楽しみに!
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