バイオリン奏者が楽器の値段を言いたくない理由
「そのくらい察しなさい」
と言いたいところですが、まあとりあえず書いていきます。
おもに3点
①防犯の意味
これは理解できますよね。
日々、メディアで名器ストラディヴァリウスがうん億円という報道をされ、僕たちは行く先々でその名前を出され、「そんな高いわけないじゃない」「そんな世界で何十本しかない楽器をどうして私が持ってると思うの」とか言うのはもはや恒例行事、社交辞令。
そうでなくともクラシック系のプロ奏者ともなると皆さん数百万円、中には1000万円単位の楽器を持っていることも珍しくなく、それを担いで歩いているとなると普通に恐ろしいわけです。
襲われて奪われる。盗まれる。
そんなよからぬ事だっていつも連想します。一つ一つが手作りで登録されている楽器である以上、それぞれに固有値(制作者直筆のラベルや写真)が刻まれ、骨董ネットワークはかなり堅固であり、どうせ盗んでもそういう骨董品的なお金に出来る訳でも無いのですが、知識ない方の突発的な犯行を未然に防ぐためでもあります。
②腕まで比較される
「高い楽器を持ってる人は凄く上手い人だ」なんて思う人も少なくないはず。ストラディヴァリウスともなれば、世界一流の中でも選ばれた奏者にしか保有する機会は普通ありません。「買う」というより財団や金持ちから「借用する」のがほとんどです。
そんなところで比較されても善し悪しというのは決まりません。
世界一流が集まるウィーンフィルハーモニー管弦楽団では500万円ほどの楽器を団が所有し、奏者に貸す、というのは有名な話です。
奏者は値段以上に色んな点を総合的に楽器を選んでいるのです。
③実家が金持ちと言われる
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