そういうこともある
「文化祭はこれにて終了となります!!」
ひどく悲しくなった。楽しい文化祭だったのだけれど、あまりにもあっという間だったから、現実味がなかった。高校最後の文化祭はいとも簡単に閉幕したのだった。
しばらくして、男子たちで打ち上げにいくこととなった。おれは文化祭の男子たちの出し物に参加していないので、少しアウェーだったけど、みんな優しいから迎え入れてくれた。飯を買って、カラオケ屋の中で食って、それからはしゃげるだけはしゃぎ倒した。一番アウェーだったおれが一番盛り上がってたかもしれない。引かれてないかな。
めちゃくちゃに歌い倒したらもう22時で、さすがに帰ることとなった。先ほどまで運命共同体かのように盛り上がっていたというのに、別れ際はなんだかあっさりしていた。
自分の財布の中をのぞいてみたら、たくさん持ってきたはずのお金がなくなっていた。その光景は少し悲しみを帯びていたけど、こういうのをプライスレスと言うのだと思う。青春かもなあと思った。
家に帰ってバッグの中を開けると、夏の暑さで腐った弁当のにおいで持ち物がすべてくっせえくっせえ匂いになっていた。最悪だった。ファブリーズを切らしていた。
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