宝物を失くしてしまった
クリスマスの時期になると、ポケモンやら戦隊やらの、いわゆるキャラクターもののカンカンがスーパーにずらりと並べられる。中にはお菓子がたくさん入っているのだが、幼い日の私には中身ではなくその外面が特に輝いて見えた。大好きなキャラクターのイラストに、赤と緑のクリスマスカラーが美しいハレーションを起こし、カンカン特有の金属光沢が蛍光灯を反射する。私の中で、何百万円と値がつく宝石にも匹敵する憧れがあった。そんな私は、親に駄々をこねながら、仮面ライダーが描いてある中くらいの缶缶を買っても